あえて道を外れたくなる 本格オフロード車 10選 どんな路面も走る屈強な戦士たち

公開 : 2023.02.11 18:05

SUV人気が高まる中、本格的なオフロード性能を備えた屈強な戦士たちの存在も見逃せません。岩を乗り越え、川を渡り、泥をかき分け、森を抜ける……そんなオフロード車を英国編集部が10台ピックアップします。

英国最強のオフローダー

SUVの人気は衰えることを知らない。しかし、オフロード車を模したスタイルとは裏腹に、多くのモデルはハッチバックにタフな装飾を施したものに過ぎず、砂利敷きの駐車場よりもずっと離れた僻地へドライブすれば、足をとられて泥まみれになってしまう。

もし、本当に山河を越えて地平線の果てまで走りたいのであれば、道を選ばない屈強な4WD車が必要だ。

現在英国で販売されている、優れたオフロード車を10台取り上げる。
現在英国で販売されている、優れたオフロード車を10台取り上げる。

ここでAUTOCAR英国編集部が紹介するのは、山羊も二度見するような地形に挑むために設計された、正真正銘のオフロード車である。オフロード性能を何よりも優先する硬派なモデルもあれば、岩場も舗装道路もしなやかにこなす万能選手もあり、この中から1台だけを選ぶのは簡単なことではない。

ロック式ディファレンシャルや低速でのギア比はもちろん、ブレークオーバーアングルや渡河能力、アクスルアーティキュレーションなど、細かいところで悩む前にこのトップ10を見てほしい。求めるものが何であれ、要望と予算に合った1台があるはずだ。

1. ランドローバーディフェンダー

10年以上にわたる前置きを経て、ランドローバーは2019年、ついに初代ランドローバーの後継モデルを披露し、2020年に販売を開始した。ラダーフレーム構造からモノコックに切り替えたこと、そしてそれ以外にも多くの理由があるが、この新型ディフェンダーは直接の後継というよりも精神的な後継である。

そのため、泥や砂地、岩場、深い河川、急勾配において先代の代わりを果たせないのではないかと危惧する人もいる。しかし、新型ディフェンダーはそのほとんどすべてをこなし、さらに先代以上の能力も持っている。アプローチアングルとデパーチャーアングルは約40度、車高調整機能付きエアサスペンションによる地上高は291mmと、必要な要素をすべて備えているのだ。

ランドローバー・ディフェンダー
ランドローバー・ディフェンダー

そんな本格オフローダーでありながら、適切なトランスミッションモードの選択、適度な推進力、わだちの中のライン取りなど、ドライバーの負担を軽減する心遣いも実に印象的なものだ。また、先代の四輪駆動システムはシンプルそのものだったが、最新モデルのそれは洗練の極みであり、ブランド独自のテレイン・レスポンス・システムにより、オフロード初心者でも難しい地形に挑戦することができる。

ランドローバーは現在、パワートレインとして4気筒、6気筒、8気筒のエンジンを用意しているが、プラグインハイブリッドのP400eが唯一の4気筒モデルとなり、ディーゼルはすべて直列6気筒に変更された。D300ディーゼルは、トルクフルで燃費がよく、ドライバビリティと洗練性を兼ね備えており、他のモデルほど高価ではないので、英国編集部のイチオシだ。

もちろん、街中に暮らす人にとっては、P400e(電気航続距離は43kmとされている)もそれなりの魅力があるだろう。

ディフェンダーには、3ドアの90と5ドアの110、ロングボディの130といった3種類のボディスタイル(130はリアオーバーハングが長く、デパーチャーアングルがわずかに損なわれる)、そして商用仕様のハードトップが用意されている。

いずれのタイプを選んでも、ボディは広く、高く、重いため、狭いコースや林道には向いていない。しかし、実力は疑う余地がなく、オフロードでの働きぶりは、オフロードが苦手な人のために作られたクルマとさえ思えるほどだ。

そのうえで、舗装道路での乗り心地やハンドリングがとても良いのだから、ライバルに大きな差をつけることができる。かつて「The best 4×4 by far(圧倒的に優れた4×4)」と謳われたランドローバー・ディフェンダーは、まったく新しい命を吹き込まれたのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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