あえて道を外れたくなる 本格オフロード車 10選 どんな路面も走る屈強な戦士たち

公開 : 2023.02.11 18:05

6. イネオス・グレナディア

今のところトップ5圏外に置いているが、それは英国編集部がまだオフロードでしか試乗できていないためだ。しかし、荒野を征服することにかけては、グレナディアは最高の能力を持っている。内側に秘めたる才能は、デザインに明らかに影響を与えたランドローバーディフェンダーと同じものだ。

伝統的な4×4の思想に基づき、グレナディアはラダーフレーム・シャシーとライブアクスルを使用。これにBMW製エンジン(3.0L直6気筒ガソリンとディーゼルから選択可能)、ZF製8速AT、Tremac製デュアルレンジトランスファーケースが加わる。260mmに迫る地上高、3つのディファレンシャルロック、35.9度のアプローチアングルおよびデパーチャーアングルを持ち、オフロードでは無敵の性能を誇る。厳しい地形を乗り越えてもほとんど汗をかくことはない。

6. イネオス・グレナディア
6. イネオス・グレナディア

オフロード性能と無骨さがこのクルマのキャラクターを支えているが、実はもっとソフトな一面も持ち合わせている。インテリアは広々としていて、使い勝手のよさと、高級車らしい質感を兼ね備えているのだ。また、舗装道路での限られた試乗では、最新のディフェンダーというよりメルセデスのGクラスに近い精神を持ったマシンであることもわかった。

イネオス・グレナディアの実力を完全に理解するためには、英国の道路でもっとじっくり試乗する機会を待たなければならない。だが、第一印象は魅力に溢れ、オフロードの才能に長けているように思われた。

7. フォード・レンジャー・ラプター

初期のレンジャー・ラプターは、いわば玉石混交の存在で、弱々しい2.0Lディーゼルはシャシーの性能に見合うものではなかった。新型は、先代の高速オフロード性能はそのままに、最高出力292psの3.0L V6ターボを搭載し、パワフルになった。

路上を素早く駆け抜けるようなクルマではないが、まどろんでいるスポーツセダンを驚かせるに十分なパンチがあり、その荒々しいエンジン音も耳に心地よい。オフロードタイヤとロングトラベルのサスペンションを装備しているため、フォードの高性能モデルに期待されるような正確さ、落ち着き、ターマックでのグリップには欠け、さらに10速ATの制御も少し優柔不断に感じられることがある。

7. フォード・レンジャー・ラプター
7. フォード・レンジャー・ラプター

最も輝いているのはアップグレードされたサスペンションである。電子制御のフォックス製アダプティブダンパー「ライブバルブ」は、どんな地形もスムーズにこなしていく。舗装道路ではコントロールされたしなやかな乗り心地を実現し、荒れた路面では従来の4×4を置いてきぼりにするようなスピードで走破することが可能だ。

レンジャー・ラプターの真のポテンシャルを引き出すには、人気のない採石場やグラベル・ラリーのステージに乗り込む必要がある。それでもラプターが欲しくなるのは変わらない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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