あえて道を外れたくなる 本格オフロード車 10選 どんな路面も走る屈強な戦士たち

公開 : 2023.02.11 18:05

8. スズキジムニー

スズキはジムニーを世界で唯一の軽量オフローダーとして売り出しているが、まったくもってその通りだ。車重は1100kg強(英国仕様)だが、ラダーフレーム・シャシーの前後にリジッドアクスル式サスペンションを備え、低レシオの四輪駆動システムを採用している。残念ながらロック式ディファレンシャルはないが、価格が2万ポンド(約320万円)以下からなので、それを期待するのはお門違いだろう。

以前、英国編集部によるトヨタランドクルーザーとのツインテストで実証されたように、ジムニーはオフロードでも実によく走る。実際、オーバーハングが小さいので、アプローチ、ブレークオーバー、デパーチャーアングルのすべてがラングラーより優れている。また、非常に小さく軽いため、泥や砂利の上でも驚くほど軽やかで扱いやすい。

8. スズキ・ジムニー
8. スズキ・ジムニー

ルックスにも惹かれることだろう。しかし、自然吸気の1.5Lガソリンエンジンは経済的ではなく、トランクは小さく、舗装道路における走り心地もよろしくない。特に、急ブレーキを踏むような場面では心配になる。

英国に限った話だが、デメリットとして、スズキUKが2020年にジムニーの販売を取りやめたことが挙げられる。排出ガス規制の強化に対応できないためで、代わりに商用車仕様が導入された。つまり、2人乗りとなり(トランクは大幅に拡大したが)、装備も簡素化されるためファミリー層には合わないということだ。

しかし、ジムニーを購入しているのは楽しさを追い求める人がほとんどだという事情を考えると、乗用車から商用車への分類変更もそれほど大きな問題ではないはずだ。市街地から離れた顧客のところへ行く配管工、電気技師、配達ドライバーは今、何を買うべきかわかっているだろう。

9. サンヨン・レクストン

これは、価格に敏感な人のためのフルサイズ・オフローダーである。サンヨン・レクストンは、最新モデルでようやくまともな外観のクルマになったが、4×4としての素質は以前からきちんと備えていた。

最新のレクストンは、ラダーフレーム構造、ローレンジ付きのロック可能な機械式四輪駆動、電子ヒル・ディセント・コントロール、そして最高出力204psの2.2Lディーゼルエンジンを備えた7人乗りSUVで、3万ポンド(約470万円)台から購入できる。

9. サンヨン・レクストン
9. サンヨン・レクストン

乗り心地よりもハンドリングとパフォーマンスが優れており、ラダーフレーム・シャシーによって少し路面の粗さを感じるが、ハンドリングは大型車としては許容範囲内だ。エンジンとトランスミッションもそれなりの性能を備えている。

本格的なオフロードでは、車高の変わらないスチールコイルサスペンションと、20度をわずかに超える程度のクリアランスアングルが仇となり、世界一とは言い難い。しかし、メインで走るのが舗装道路や砂利道で、大きくてコストパフォーマンスの高いクルマを求めているなら、レクストンを検討する価値はあるかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事