あえて道を外れたくなる 本格オフロード車 10選 どんな路面も走る屈強な戦士たち

公開 : 2023.02.11 18:05

10. ダチア・ダスター

限られた予算で人里離れた場所に行くなら、ダチア・ダスターがちょうどいい。以前ほど安くはないが、Expression dCi 115 4×4が2万1000ポンド(約330万円)弱というのは、クラスを問わず破格の値段だ(昨今、同じような仕様の小型車をこの値段で手に入れるのは困難だろう)。

オフロードに向けた装備に関しては、包括的に整っているわけではないが、自信を持って荒野に挑むのに十分だ。通常時は前輪で走行し、ホイールスピンを検知すると素早く後輪を駆動させる「オート」モードのほか、オフロードでトラクションを最大化させるためにトルク配分を前後50:50に設定する「ロック」モードが用意されている。

10. ダチア・ダスター
10. ダチア・ダスター

また、急な坂を登るときにはトルクフルな1速を、下るときにはヒル・ディセント・コントロールを活用できる。さらに、インフォテインメント・システムにはコンパスと高度計が搭載されているため、自分がどこに向かっているのかがわかる。

何よりも、ダスターのオフロード性能の高さは、適度な地上高と比較的軽い車両重量によるものであり、重量級のライバルが沈むような障害物でもつま先で乗り越えることができる。

ランキング上位のモデルと同様、舗装道路では堂々と走れる。現行モデルはダスターとしては2代目にあたり、先代よりもはるかにモダンで落ち着いた印象を受ける。ステアリングは正確かつ適度に精密で、ボディコントロールは良好、グリップも十分にある。乗り心地は良く、ソフトでロングトラベルのサスペンションとハイプロファイルタイヤの組み合わせにより、スピードバンプやポットホールにも身構える必要はない。

ほとんどのオフロード車は、オフロードを走る時間よりも、舗装された道路で過ごす時間の方が長い。それを考えると、街中でもくつろげるダチア・ダスターの存在はありがたい。的確なハンドリングと快適な乗り心地、そしてパンチの効いたディーゼルエンジン、充実した装備と広々とした室内空間も嬉しいポイントである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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