三菱ふそう「キャンター」60周年 2023年に「eキャンター」フルモデルチェンジへ 歴史を振り返る
公開 : 2023.02.04 19:05
三菱ふそうの小型トラック「キャンター」が誕生から60周年を迎えました。2023年には「eキャンター」がフルモデルチェンジします。
キャンター誕生から60年
三菱ふそうトラック・バスの小型トラック「キャンター」が2023年に誕生から60周年を迎えた。
初代「キャンター」は1963年3月に小型トラックの分野にふそうブランドとして初めて参入。視界が広く運転操作が容易なキャブオーバータイプのT720型が発売された。
駿馬の健脚と軽快な走りをイメージし、英語で馬が駆け抜けることを意味する「キャンター」と名付けられた同車両は、優れた走行性能にくわえて経済性を兼ね備えたクルマとしてクラス随一の評価を受けた。
初代「キャンター」の発売後、1964年には首都高速道路が日本で開通し、貨物の高速輸送が可能に。道路整備に伴いトラックの高速化への開発が進んだことで長距離輸送が日常となり、高出力エンジンの搭載も普及し、多くの荷物を高速で運ぶことが可能になった。
小まわりの利く「キャンター」はさまざまな用途での輸送で用いられることで、日本の輸送の効率化に貢献してきた。
初代モデルの発売以降、「キャンター」は戦後の復興から高度成長期を経て輸送の長距離・高速化、そして環境問題や輸送のカーボンニュートラル化がテーマとなった21世紀と、多くの時代を通じて進化を続けた。
「キャンター」は過去60年の歴史を通じて、その特徴である快適性や走行性能にくわえてエンジンの改良による省燃費の実現やハイブリッド技術による環境性能の実現、耐久性と快適性の追求、先進安全技術の開発による安全性の強化や、スタイリッシュな外観の採用など、小型トラックに求められるあらゆる面を進化させてきた。
2023年にeキャンター、新型へ
「キャンター」は、1960年代から世界各地で販売地域を拡大し、グローバル市場でも小型商用車セグメントをけん引してきた。
インドネシアでは、小型トラックのセグメントで過去48年間トップのシェアを維持し、小型セグメントのロングセラーとなっている。
現在12の海外マーケットでノックダウン生産がおこなわれ、MFTBCが初めて海外進出した市場の1つであるインドネシアでは48年間、台湾では40年にわたりノックダウン生産がおこなわれている。
さらに、アフリカや中南米、中近東にも進出し完成車は世界60か国以上に輸出される。機動性などが評価され、現在世界70か国以上で販売されている。
「キャンター」のこの長い歴史を通じて受け継がれてきたのは、「お客様と社会のために、常に先進であること」という先駆者精神。この先駆者精神に基づいて、MFTBCは小型トラックのセグメントで2017年に国内初の量産型電気小型トラック「eキャンター」を発売し、2023年にフルモデルチェンジした次世代モデルの発売も予定。
「キャンター」は、その先進性を磨き、より安全かつ安心で新しい走りを実現するトラックとして今後もさらに進化を続けていくという。