速そうに見えて実はそうでもなかったクルマ 23選 外観とパワーが相反するスポーツカー

公開 : 2023.02.12 18:05

フォードマスタング・キングコブラ

第一次オイルショック(石油危機)が去った1974年、フォードはマスタングのフォルムを維持しつつ、燃費と優れたドライバビリティを両立させた新型車の投入を決定する。

その結果、期待外れのスペックとなり、エンジンは5.0L V8ではなく、最高出力89psの2.3L 4気筒か106psの2.8L V6しか選べなかった。V6の場合、0-97km/h加速はプジョー504並みの13秒、最高速度は160km/hがやっとである。

フォード・マスタング・キングコブラ
フォード・マスタング・キングコブラ

シボレーカマロ

それまでのカマロは、V8と並んで直列6気筒またはV6が用意されていた。1982年に登場した3代目では、2.5LのV6が採用された。スーパーカーに影響されたエアロダイナミックなデザインとワイドなマッスルカーボディを持つ3代目カマロは、最高出90ps、最大トルク18.2kg-mで、0-100km/h加速は13.8秒という遅さだった。最高速度は170km/hにとどまる。

シボレー・カマロ
シボレー・カマロ

ヒョンデ・ヴェロスター

ヒョンデは2012年、人気のフォルクスワーゲン・シロッコに対抗してヴェロスターを発売した。3ドア・レイアウトの奇抜なクーペデザインである。ヴェロスターはボディロールがほとんどなく、グリップも効くため、ハンドリングは素晴らしい。

しかし、1.6Lエンジンからは140psしか発生せず、静止状態から100km/hまでは10秒もかかるため、美点が損なわれてしまっている。後にヒョンデは、ベース車の性能の低さを補うため、よりパワフルなターボモデルを発売した。

ヒョンデ・ヴェロスター
ヒョンデ・ヴェロスター

三菱エクリプス・スパイダーGS

エクリプス・スパイダーは、空力に効きそうなボディやロー&ワイドなスタンスから想像されるほど速くなく、コンバーチブルであることから1589kgという重量も枷となっている。そのため、2.4Lの149psという出力では、0-100km/h加速8.9秒、1/4マイル17秒にとどまる。AT車の場合、0-100km/h加速10.4秒というタイムに耐えなければならない。

三菱エクリプス・スパイダーGS
三菱エクリプス・スパイダーGS

アウディ100クーペS

エレガントでファストバックのようなデザインが魅力的なアウディ100クーペSだが、112psの1.9L 4気筒エンジンと3速ATを搭載した前輪駆動車である。100クーペSは、スポーティなシルエット、4灯式ヘッドライト、ロングボンネット、クロームトリムにより、実際よりもプレステージで高価な印象を与えた。しかし、0-100km/h加速は12.2秒、最高速度は183km/hとなっている。

アウディ100クーペS
アウディ100クーペS

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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