速そうに見えて実はそうでもなかったクルマ 23選 外観とパワーが相反するスポーツカー
公開 : 2023.02.12 18:05
ポンティアック・フィエロ
トヨタMR-2のようなシャープなボディを持ち、小型軽量でミドエンジンレイアウトを持つフィエロは、書類上では速いと考えられていた。当初は高回転型の1.8Lエンジンを搭載する予定だったが、コスト面から最高出力94psの安価な2.5Lが選ばれ、0-100km/h加速11.0秒という長いタイムと170km/hの最高速度を実現した。
より筋肉質なサウンドの2.8L V6 GTバージョンもあるが、こちらも最高出力144psにとどまり、0-100km/h加速8.3秒という残念な結果に終わっている。
マツダMX-30
EV(電気自動車)は通常、大きなトルクを一瞬で発揮し、印象的な加速を見せる。MX-30は、低いルーフラインやスマートなヘッドライトなど、それらしく見えるが、出力は145psに27.5kg-mと控えめだ。車重が1645kgもあるため、0-100km/h加速は10.0秒とやや鈍く、最高速度140km/h、航続距離はわずか200kmだった。
マツダMX-5
MX-5(ロードスターの欧州仕様)は50:50の重量配分とシャープなステアリングによるハンドリングは優秀で、低価格であることからもサーキット走行などで多くの人に選ばれたクルマだ。
しかし、自然吸気エンジンの最高出力は116psで、静止状態から100km/hまで9.4秒で到達するもので、マツダはわずか14psアップの1.8Lをリリースした。1.8Lが好まれた一方で、1.6L車のオーナーは直進加速を克服するためにターボやスーパーチャージャーを装着したことが知られている。
フォルクスワーゲンSP2
輸入税が高く、スポーツカーに飢えていたブラジルでは、ビートルをベースにした「プーマ」という独自のスポーツカーがあった。そこでフォルクスワーゲンは、ブラジルにもう1台スポーツカーを導入しようと、現地部門を通じてSP2を開発した。本革シートと低いドライビングポジションを備えた室内、リアサイドのエアベントと長いボンネットを持つ流麗なスチールボディが美しい。
しかし、車重は890kgとプーマより重く、エンジンは1.7Lで最高出力76psと極小だった。その結果、最高速度153km/h、0-100km/h加速17秒という驚異的な遅さを実現している。
三菱FTO
最高出力200psの2.0L V6はいいとして、スタンダードな1.8Lエンジンはわずか127psしか出ない。三菱FTOは、3000GT(GTO)のような大きなフロントライト、エアロダイナミックボディ、クールなスポイラーなど、スポーツカーとしての特徴はすべて揃っている。しかし、0-97km/h加速は10.0秒と長く、最高速度も200km/hがやっとだった。
同価格帯のクーペ・フィアット1.8L仕様(128ps)は、それでも遅いものの、0-100km/hを10秒弱で駆け抜け、205km/hまで加速することができるのだ。