速そうに見えて実はそうでもなかったクルマ 23選 外観とパワーが相反するスポーツカー
公開 : 2023.02.12 18:05
ポルシェ924
924はポルシェとしてではなく、アウディまたはフォルクスワーゲンとして販売される予定だったが、フォルクスワーゲンがこの計画を打ち切りとした。そこで、ポルシェがその権利を買い取り、独自のモデルとして販売することになった。
924はなぜかフォルクスワーゲンの商用車由来の2.0Lエンジンを搭載し、最高出力125psを発揮。0-100km/h加速は11.0秒という怠惰なタイムだが、十分なスペースがあれば最高速度200km/hに達する。
ランチア・スコーピオン
フィアットのために設計されたものが、最終的にランチアの手に渡った。欧州向けには122psのモンテカルロ、米国向けには排出ガス規制の関係で82psの1.8Lエンジンを積んだスコーピオンが用意された。
0-100km/h加速で9秒かかる欧州仕様に対し、米国仕様はさらに長い13.4秒を要した。フロントは長いボンネットとアグレッシブなライトが魅力的で、リアはX1/9を思わせるデザインだ(スコーピオンはもともとX1/8と呼ばれていた)。
スマート・クーペ
メルセデスの傘下にあるスマートは、2人乗りや4人乗りの小型車をリリースしていることで知られているが、スポーツカーを製造するブランドではない。しかし2003年、790kgの車重に低いドライビングポジション、660ccターボエンジンを搭載したクーペが登場した。
とても個性的でかわいらしいデザインだが、最高出力は81psで、トランスミッションは3速セミAT、そして0-100km/h加速は11秒強というものであった。後にブラバス仕様が登場し、出力は102psに向上したが、MTの設定がなく、0-100km/h加速10秒と、依然として遅いことに変わりはない。
フィアットX1/9
X1/9は、フェラーリのようなフラットなトランクリッド、彫りの深いフロントエンド、サイドマウントのエアダクトなど、一見すると速そうに見える。だが、搭載された1.3L 4気筒は76psと非力で、車重わずか880kgでありながら100km/hまで12秒8かかるという、非常に恐ろしいタイムとなっていた。
フィアットは後にX1/9を改良し、最高出力85psの1.5Lを搭載したが、それでも0-100km/h加速は11.5秒、最高速度は180km/hにとどまり、大幅な性能向上にはつながらなかった。
ポルシェ914
片やフォルクスワーゲンは象徴となるスポーツカーを作ろうと考え、片やポルシェは912に代わる新型車を必要としており、結果的に共同事業として914が考案された。ポップアップ式のヘッドライト、高いホイールアーチ、地面に吸い付くようなサスペンションなど、エアロダイナミクスを意識したデザインが目を引く。
ドライバーの後ろには、最高出力わずか81psのフォルクスワーゲン製1.7Lエンジンが搭載され、0-100km/h で13.3秒という気力のない加速を見せる。最高速度185km/hに達することさえ困難であった。