登場から変わらぬ訴求力 フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント(8代目) 英国版中古車ガイド 推しはTDI

公開 : 2023.02.15 08:25

フェイスリフト後は高級感も向上

フォルクスワーゲンらしく、パサートのインテリアは高品質で上質。内装パネルの多くにはソフトタッチ加工が施され、スイッチ類のタッチはソリッドで好印象。フェイスリフト後のパサートは、高級感も向上している。

キャンピングトレーラーなどの牽引を考えている人にも、ヴァリアントは好適。トレーラー・アシストというオプションが装備されていると、電子アシストが介入し、バックでの駐車が格段に容易になる。

フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント(8代目/2014年〜/英国仕様)
フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント(8代目/2014年〜/英国仕様)

英国の中古車市場を調べると、2014年から2015年式の8代目パサート・ヴァリアントなら7000ポンド(約112万円)程度で出てくる。2017年までは1万ポンド(約160万円)前後、2018年式では1万3000ポンド(約208万円)前後へ上昇する。

フェイスリフト後のモデルになると、1万3000ポンド(約256万円)程度は必要になる。PHEVのGTEは、まだ2万ポンド(約320万円)近くするようだ。

知っておくべきこと

パサートでガソリンエンジンを選ぶ場合、1.5 TSIが最も燃費に優れる。カタログ値は16.1km/Lがうたわれる。ディーゼルエンジンなら余裕で18.0km/Lへ迫れるだろう。

信頼性は低くない。AUTOCARの姉妹メディアの調査では、自動車メーカー32社中、フォルクスワーゲンは22位と振るわない。だが同クラスのモデルでは、26車種中5位にパサートがランクインしている。

フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント(8代目/2014年〜/英国仕様)
フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント(8代目/2014年〜/英国仕様)

購入時に気をつけたいポイント

ESPとECU

一部の初期のパサートでは、電子スタビリティ・コントロールに不具合が発生している。フォルクスワーゲンの正規ディーラー以外で購入した場合などは、1度持ち込んで確認した方が良いだろう。

また2018年末から2019年前半に製造されたパサートに対し、英国では低回転域のトルクを太くし扱いやすくする、ソフトウエア・アップデートが実施された。該当する年式の場合は、こちらも対応済みか確認したい。

リコール

フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント(8代目/2014年〜/英国仕様)
フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント(8代目/2014年〜/英国仕様)

リアシートの背もたれに関する製造の不備で、英国ではリコールが出ている。2018年半ばに製造されたパサートが対象で、ヘッドレスト部分の溶接が不充分なため、強い衝撃などで破損する可能性があるという。

2019年2月の製造車両ではフレームの溶接に不備があり、こちらもリコールが出ている。ディーラーで対応済みか確かめたい。

英国編集部の推しチョイス

ベスト:2.0 TDI 150

お財布に優しい、好燃費のディーゼルエンジンがパサート・ヴァリアントではイチオシ。トルクが太く、定員分の大人と沢山の荷物を載せても、不満のない走りを披露してくれる。価格価値に優れるステーションワゴンだ。

ワイルドカード:2.0TSI 270

1人のドライブを休日の早朝に楽しみたい向きには、271psを発揮する2.0Lガソリンターボがオススメ。0-100km/h加速を6秒以下でこなし、Rラインのボディトリムとの相性もバッチリといえる。

フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント(8代目/2014年〜/英国仕様)
フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント(8代目/2014年〜/英国仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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