世界がシビれる電動スポーツカー 10選 運転して楽しいEVドライバーズカーは?

公開 : 2023.02.17 18:05

4. ピニンファリーナ・バッティスタ

ポルシェタイカンアウディRS eトロンGTの関係と同じように、ピニンファリーナ・バッティスタはリマック・ネヴェーラと多くのハードウェア(およびソフトウェア)を共有している。2台の差別化のために、バッティスタはより華やかな外観を持ち、グランドツアラー志向のマシンとして紹介されている。

とはいえ、性能値から明らかなように、決してソフトなクルーザーではない。4モーターから繰り出される1926psの出力と234kg-mのトルクを見ると、0-300km/h加速12秒以内、最高速度350km/hと謳われても不思議はないだろう。しかし、この性能値も約200万ポンド(約3億2000万円)という価格のほんの一部に過ぎない。

4. ピニンファリーナ・バッティスタ
4. ピニンファリーナ・バッティスタ

というのも、バッティスタは驚くほど繊細かつ落ち着いたハンドリングを見せ、コーナーでもストレートでも、隅々までスリリングなフィーリングを味わえるからだ。サーキットで試乗した英国記者のマット・プライヤーは声に出して笑っていたほどで、バッティスタの実力は折り紙付きである。

ピニンファリーナは現在ミュンヘンに本社を置き、親会社はインドのマヒンドラ・グループである。にもかかわらず、内外ともに美しく仕上げられ、イタリアンな雰囲気を漂わせている。開発エンジニアには、パガーニメルセデスAMG(ハイパーカーの「ワン」を手掛けた)のOBが名を連ねており、その才能を遺憾なく発揮しているのだ。。

5. リマック・ネヴェーラ

リマックほど短期間にこれほど大きな印象を与えた自動車メーカーは他にないだろう。クロアチアの自動車ブランドであるリマックは、創業者マテ・リマック氏の自宅ガレージからわずか10年余りで、今やポルシェの一部と、新たに設立されたブガッティ・リマック社の55%を所有する企業にまで急成長したのだ。まさに鯉の滝登りと言える。

若きリマック帝国が担ぎ上げるのが、コンセプトカーの「コンセプト・ワン」と「C-Two」に続くネヴェーラで、2017年デビューのC-Twoの市販版である。デビュー当時で最高出力1088psと67万ポンド(約1億円)の価格を謳い、電動ハイパーカーのトレンドの起爆剤となった。ネヴァーラはわずか150台のみ製造される予定だが、そのほぼすべてが予約で埋まっているようだ。昨年末には最高速度412km/hをマークし、EVの速度記録を更新するなど、話題に事欠かない。

5. リマック・ネヴェーラ
5. リマック・ネヴェーラ

ネヴェーラの魅力は、そのハードウェアにある。複合タブを中心に、各車輪に電気モーターを搭載し、フロントには独立した1速トランスミッション、後軸には2速デュアルクラッチを2つ備えている。その目的は、最高出力1914ps、最大トルク234kg-mという山のようなパワーを最大限に発揮できるようにすることである。

ダブルウィッシュボーン・サスペンション、トルクベクタリング、レベル4自動運転機能など期待されるものをすべて揃えており、価格もそれに見合う180万ポンド(約2億8000万円)という破格の設定となっている。今回ピニンファリーナ・バッティスタの下にランクインしているのは、英国編集部がまだじっくりと時間をかけて試乗できていないためだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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