中国自動車大手チェリー 新ブランド「Omoda」欧州発売へ ファッション性重視の高級EVも

公開 : 2023.02.14 06:05

中国の自動車大手チェリー(奇瑞汽車)は、2024年初頭に新ブランド「Omoda」を英国に導入すると発表しました。ファッション性を重視したガソリン車、PHEV、EVを販売すると予想されています。

中国から新ブランド 英国上陸

中国の自動車大手チェリー(奇瑞汽車)は、新型クロスオーバー「Omoda 5」を2024年初頭に欧州で発売する予定だ。ファッションに焦点を当てた新ブランドを同社のグローバル展開の最前線に置く。

チェリーは、中国で最も多くの自動車を輸出しているメーカーで、昨年はアジア、オーストラリア、アフリカ、ラテンアメリカ、中東で45万台を販売した。ジャガーランドローバーの中国合弁パートナーとしても知られており、現在は中国市場向けにレンジローバー・イヴォーク、ディスカバリー・スポーツ、ジャガーXF、XEの生産を行っている。

チェリー傘下のOmodaが販売するクロスオーバー「Omoda 5」
チェリー傘下のOmodaが販売するクロスオーバー「Omoda 5」    チェリー

2022年にはスタイル、テクノロジー、サステナビリティに焦点を当てた新しいブランドとして「Omoda」を立ち上げた。同様のアプローチは、ライバルの長城汽車のオラ(欧拉、ORA)も採用している。

Omodaという名称は、「O」が「わたし達に必要なバイオ要素」、「moda」が「ファッション」を意味し、すでに中国、インドネシア、オーストラリア、ニュージーランドに展開している。2024年には英国にも導入される予定だ。

英国に導入される1台目のモデルは、ミドルサイズのクロスオーバー、Omoda 5である。昨年12月には、欧州の自動車安全テストであるユーロNCAPで最高評価の5つ星を獲得した。

チェリーは、英国ではOmodaをEV特化のブランドにするとしているが、当初はガソリン車も導入されると考えられる。オーストラリア向けのOmoda 5は、自然吸気1.5L直列4気筒マイルドハイブリッドと、最高出力198psを発生させる1.6L直4ターボが販売されている。

EVについて詳細は未確認だが、最高出力200psのモーターをフロントに搭載し、64kWhのバッテリーを使用して450kmの航続距離(WLTPサイクル)を実現するとされている。トヨタbZ4X日産アリアとも近い数字である。

インテリアの特徴は、10.25インチの高解像度スクリーンを備えた一体型ディスプレイだ。詳しい仕様は不明だが、デュアルゾーンエアコン、多数の先進運転支援機能、スマートフォンのワイヤレス充電器、「雰囲気のある」室内照明などを標準装備しているという。

Omoda 5の価格についてブランドの担当者は、「手頃で競争力のある」ものになるとAUTOCARに答えた。同クラスの競合車種を考慮すると、4万5000ポンド(約720万円)程度が妥当と思われる。

英国向けのOmoda 5は年間販売台数1万台を目標としており、今後ICE、PHEV、EVのパワートレインを選択できる「複数の新型車」が登場するとのことだ。ただし、最も重視するのはEVである。

チェリーはジャガー・ランドローバーと協力関係にあるため、英国も「未知の市場ではない」としているが、どのように販売網を構築するかは今のところ明らかではない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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