若い世代が買っている ロールス・ロイス、新型車はすべてBEVに エンジン車は現行世代で最後

公開 : 2023.02.14 18:05

若い世代に向けた新しいアプローチ

ミュラー・エトヴェシュCEOは、今後も超限定生産のモデルを作る予定であることを明かし、「近いうちに公開するので見ていてほしい」と語った。3~4台を限度とし、隔年で発売する予定だという。

「これは、長くお付き合いしているお客様を招待して行うものです。長い長いプロジェクトで一緒に仕事をするのですから、彼らのことをよく知っておく必要があるのです」

ボートテイルのような限定生産車を今後も発表していく。
ボートテイルのような限定生産車を今後も発表していく。    ロールス・ロイス

ミュラー・エトヴェシュCEOは現職に就いて13年になるが、その間、顧客の平均年齢が56歳から42歳に下がっているのを目の当たりにしてきた。また、女性の購入者の割合も1%未満から17%程度に増えている。

ロールス・ロイスの購入者は、運転手を雇うのではなく自分で運転するために買う人がはるかに多く、その割合もかつて20%だったのが今では約80%になった。

世界的に富裕層のプロフィールが変化し、ロールス・ロイスのモデル自体もこのような新しい購買層に呼応して大きく変化している。「もし、クーペ、サルーン、コンバーチブル、ブラックバッジ、そしてブランドの若返りなどで彼らのニーズに応えてこなかったら、失敗していたでしょう。ブランドはそのままに、新しいタイプの富裕層向けに調整したのです」

ミュラー・エトヴェシュCEOによると、ベントレーと対になっていた20~30年前とは「まったく違う」ブランドになったという。「彼らは彼らの道を見つけ、わたし達はわたし達の道を見つけたのです。わたし達は全く異なるセグメントで事業を展開しています。クルマというセグメントではなく、ラグジュアリーの工房であり、製品だけでなくお客様に対する振る舞いも含めて真のラグジュアリーブランドになることを目指してきました」

BMWは、初代ファントムで正しい判断を下しました。初代ファントムは、ロールス・ロイスが最高峰であり、高い価格を設定し、他の誰にもできないものを提供するという明確な意思表示でした。最初から小型で安価なロールス・ロイスで台数を追いかけることはしませんでした」

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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