新時代の幕開けを告げるラグジュアリーEV 10選 アッパークラスの電気自動車たち
公開 : 2023.02.26 18:05
8. メルセデス・ベンツEQE
EQEとEQSの関係は、EクラスとSクラスの関係と同じである。ティアドロップ(涙滴)型のアウトラインから、ほとんど継ぎ目のない滑らかな表面処理、これまでにないほど緩やかな弧を描く「ワンボウ」シルエットまで、良くも悪くもダウンサイジングされたEQSと言ってよい。
EQSのEVA2プラットフォームを短縮しているため、同じような巨大バッテリーを搭載するスペースはないものの、90kWh(実質使用可能容量)のおかげでEQE 350+の航続距離は634kmと見積もられている。
英国では、EQE 300、EQE 350+、AMG EQE 53が用意され、他の市場では四輪駆動のEQE 500やAMG EQE 43も導入されている。
EQEの室内空間の使い方やルックスについては、まだ納得がいかないところもある。しかし、それでもここで取り上げるには十分な魅力を備えている。
エアサスペンションの乗り心地は驚くほど静かで、風切り音も少ないが、ワインディングロードでの扱いやすさもある。英国編集部は今のところドイツでしか試乗していないので、これらの素質が英国の道路や大径ホイール装着者に反映されるかどうかを確認するのが楽しみだ。
9. メルセデス・ベンツEQC
2019年9月に英国編集部が行った電動SUVグループテストで完全勝利を収めたEQCは、実用性と性能、そして上質さと持続可能性を求める人々にとって非常に魅力的な存在であり、同時に英国の道路で日常的に使いやすいこともアピールポイントとなった。
当時、メルセデス・ベンツEQC 400は、テクノロジー満載の豪華なインテリア、快適性と走る楽しさの見事な融合、そして一流のインフォテインメント・システムによって並み居るライバルを圧倒したのだ。高級車としてはアウディeトロン・クワトロの方が優れているし、ドライバーズカーとしてはジャガーIペイスに軍配が上がるが、それでもEQCのパッケージングは納得のいくものであった。
EQCは内燃機関搭載のGLCとプラットフォームを共有し、ツインモーター、トルクベクタリング四輪駆動、そして最高出力407psと最大トルク78kg-mを誇る。WLTPサイクルによる航続距離のメーカー公称値は417kmで、英国編集部の実走行テストではその80%から90%が実現可能であるとわかった。クラス最長というわけではないが、十分訴求力のある数字と言える。
走行モードは豊富で、エネルギー回生レベルや運転支援システムを自分好みに設定するには、かなり複雑な操作が必要だ。しかし、そのハードルを越えれば、非常に運転しやすく、7万ポンド(約1140万円)のファミリーカーとしてふさわしい高級感を備えていることがわかるだろう。