ジープ・アベンジャー 電動化の嚆矢、日本を掠めた日 実車を見た印象は?

公開 : 2023.02.19 16:35  更新 : 2023.02.21 15:32

ジープの電動化攻勢、ココにはじまる

室内の広さはBセグメントのボディらしく必要最低限といった感じだが、スクエアなキャビンのおかげで窮屈な感じはしない。

リアシートは足元スペースはミニマムだが、バッテリーが敷かれているはずのフロアは深くえぐられており、自然な着座姿勢がとれる。フロアのえぐれはトランクも同様で、底板を上げるとその下に充電ケーブル等を入れてもまだ余裕のある収納スペースが現れる。開口部の高さも最適だと感じられた。

ステランティス・ジャパンの打越晋(うちこしすすむ)社長。「今後導入していくモデルは日本市場に合ったものを見極め、日本側からの要望によって取り入れていく」
ステランティス・ジャパンの打越晋(うちこしすすむ)社長。「今後導入していくモデルは日本市場に合ったものを見極め、日本側からの要望によって取り入れていく」

ちなみにポーランドのティヒ工場で生産されるアベンジャーのプラットフォームは、ジープとしては初めてFCA系ではなくPSA(プジョーシトロエン)系のCMPが用いられている。つまりBEVとICE車が用意されているプジョー208やDS3クロスバックあたりと共通する部分も多いのだ。このためアベンジャーにも1.2Lのガソリンエンジンを搭載したMHEVモデル(4xe)があるのだが、こちらの日本導入に関しては未定だという。

今回われわれの質問に答えてくれたステランティス・ジャパンの打越晋社長によれば「今後導入していくモデルは日本市場に合ったものを見極め、日本側からの要望によって取り入れていく」とのこと。

また2025年にはリーコン、2026年にはワゴニアモデル(社内の呼称はワゴニアS)という2台のミッドサイズBEVの日本導入も決定しているという。

ジープ最小にして日本におけるジャストサイズのアベンジャーは、これまでのジープ人気をそのままBEVへとスムーズに移行させることが期待できそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。

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