第5世代システム獲得 トヨタ・カローラ・スポーツ 1.8ハイブリッドへ英国試乗 魅力も向上

公開 : 2023.02.25 08:25

アップデートされた第5世代のHVシステムを獲得した新しいカローラ。英国編集部が公道で改善ぶりを確かめました。

キア・シードと2位の座を争うカローラ

欧州フォードは販売数の減少に伴い、ファミリー・ハッチバックへ見切りをつけようとしている。一方で、英国の工場でも生産されている新しいトヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)は、好調のようだ。メーカー間での明暗が浮き彫りとなっている。

Cセグメントに属するハッチバックの欧州での販売数を見ると、1位のフォルクスワーゲン・ゴルフに次ぐ2位の座を、キア・シードと争っている状況にある。そんなカローラの競争力を高めるべく、トヨタは幅広い内容のマイナーチェンジを施した。

トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ) 1.8ハイブリッド・デザイン(英国仕様)
トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ) 1.8ハイブリッド・デザイン(英国仕様)

グレートブリテン島の中央に位置するバーナストン工場では、1日500台のカローラ・スポーツが生産されている。その85%は欧州35か国へ輸出されているが、今後数年に渡り、英国では年間1万8000台以上を売りたいと同社は考えている。

トヨタの上層部も、欧州市場でCセグメント・ハッチバックの需要が減少傾向にあることを理解している。同サイズのSUVやクロスオーバーの販売台数は、2021年に追い越している。それでも、もうしばらくは拮抗するとも考えているようだ。

タッチモニターは12.3インチへ拡大

今回、英国仕様のカローラ・スポーツへ施されたアップデート内容は、大まかに4種類ある。1つ目は定番といえる見た目。ヘッドライトやフロントグリルに手が加えられ、ボディの塗装にも新色が設定された。

2つ目が、トヨタとしては第5世代に当たるハイブリッド・システムの獲得。3つ目が運転支援システムやアクティブ・セーフティ技術の更新。4つ目がインテリアで、インフォテインメント・システムの高機能化と、タッチモニターの拡大などになる。

トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ) 1.8ハイブリッド・デザイン(英国仕様)
トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ) 1.8ハイブリッド・デザイン(英国仕様)

特にインテリアは違いがわかりやすい。ダッシュボード中央のモニターは10.5インチになり、12.3インチのメーター用モニターとのペアで新しい雰囲気を生んでいる。メーター側は、表示内容の変更が幅広く可能だ。

タッチモニターの下には、頻繁に使うであろう車載機能用のハードスイッチも残されている。このセグメントでは、かなり高水準の装備だといっていい。

英国でのトリムグレードは、アイコンとデザイン、GRスポーツ、エクセルという4段階。後者の2つはトップグレードとして並んでおり、上級志向のエクセルに対し、GRスポーツはその名の通りスポーツ志向という違いがある。

英国価格は1.8L 4気筒ハイブリッドのアイコンで3万210ポンド(約486万円)から。2.0L 4気筒ハイブリッドのエクセルでは、3万5145ポンド(約565万円)になる。ステーションワゴンのツーリングは1700ポンド(約27万円)増しだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事