邁進するメルセデス・ベンツ 高収益の電気自動車、優先的に導入 今年も販売増見込む
公開 : 2023.02.21 18:05
メルセデス・ベンツは、収益性の高い高価格帯のEVにシフトすることでさらなる成長を見込んでいます。EQS SUVの発売や超高級車ブランドのマイバッハの電動化モデルなどにより、今年はEV販売が「倍増」との予測も。
今年はEV販売が「倍増」 高級化を推進
メルセデス・ベンツは、高級EV(電気自動車)を複数導入することでさらなる販売増を見込んでいる。
製品ラインナップの高級化を牽引するのは、EVのメルセデス・ベンツEQS SUVと、高級車ブランドのマイバッハであると同社は声明で述べている。また、EQE SUVなど複数の車種の発売により、2023年のEV販売台数を倍増させることができると期待する。
このように、これまで以上に高価で収益性の高いモデルへのシフトは、大きな利益をもたらした。メルセデス・ベンツの昨年の平均販売額は7万2900ユーロ(約1040万円)で、2019年の5万1000ユーロ(約730万円)と比べて43%増となった。また、2021年の平均6万7100ユーロ(約960万円)と比べても9%向上している。
過去2年の好調は、高級車部門マイバッハの記録的な成長によるところも大きいだろう。昨年は日本、韓国、中東、中国からの需要急増により、2年連続で販売台数の記録を更新し、2万1600台を納車した。中国だけでも、1か月に1100台を販売している。
今年は、初の電動化モデルであるS580e(プラグインハイブリッド車)と、前述のSUV EQSを発売するため、マイバッハにとって変革の1年となるだろう。
収益性の高いモデルを推し進めたことで、グループ全体のEBIT(利払前・税引前利益)は2021年の160億ユーロ(約2兆3000億円)から昨年は205億ユーロ(約2兆9400億円)と28%改善した。
グループの売上高は1500億ユーロ(約21兆5000億円)で、前年比12%増となった。フリーキャッシュフローは79億ユーロ(約1兆1300億円)から81億ユーロ(約1兆1600億円)へと改善した。
メルセデス・ベンツ・カーズの研究開発費は、OSソフト「MB.OS」の次世代版の導入に向けて、2019年の75億ユーロ(約1兆円)から昨年は80億ユーロ(約1兆1400億円)に増加した。