切断された愛車をコンテナで発見! 日本で1台のレクサスGSF 盗難→ヤフオク出品の顛末
公開 : 2023.02.22 09:00 更新 : 2023.03.31 09:34
大阪府でレクサスGSFを盗難されたKさんは、後日、切断された愛車がヤフオクに出品されているのを発見しました。
もくじ
ーKさん所有のトムス仕様レクサスGSFとは
ー2月9日頃、ヤフオクに初めてGSFのパーツが登場
ーKさん単身で解体業者のヤードへ
ー盗難車と知って購入した?
ー三重県では「ヤード条例」が施行されている
ー自動車窃盗は非常に罪が軽い
Kさん所有のトムス仕様レクサスGSFとは
大阪府泉佐野市在住のKさんが所有する「LEXUS GSF TOM’S」が盗まれたのは2023年1月18日午前2時45分頃だった。
「いつもは会社の立体駐車場に停めているのですが、その日は帰りが遅かったこともあり、自宅前の屋外駐車場に停めていました。防犯カメラの映像を見ると、いとも簡単に鍵を開けて犯行開始からクルマを発進して駐車場を出ていくまで1分もかかっていない、40秒くらいですね。警察の方と一緒に映像を見ていましたが、警察いわく『リレーアタックで盗まれたのでしょう』とのことでした」
「犯行当時は自宅にいてそろそろ寝ようかと思っていた時でしたが、異変には全く気付きませんでした」
「翌朝、GSFに乗って出社しようと外に出て……クルマがないことに気づきました。すぐに警察を呼んで最初は駐在さんが来て、その後、刑事さん数名が来ました。防犯カメラが8台あるので、その中からデータを抜くのに半日くらい掛かっていましたね」
リレーアタックは玄関などクルマの近くに置いてある電子キーから発する微弱な電波を特殊な機器で増幅させてエンジンをかけて盗んでいく手口である。
CANインベーダーの前はリレーアタックが主流だった。しかし、金属の缶に鍵を入れて電波を遮断するなど比較的簡単に対策ができることから、猛威を振るっていた数年前に比べるとリレーアタックによる窃盗は今は減りつつある。
防犯カメラの映像からもわかるが、CANインベーダーにしてはドア開錠から発進までの時間が短すぎる。
さらに、レクサスLXやLCではフロントバンパーからCANにアクセスできるのだが、設計が少し古いGSFは車内からしかCANにつなげられないため、さらに時間と手間がかかる。
2月9日頃、ヤフオクに初めてGSFのパーツが登場
盗まれてから約3週間経った頃からヤフオクにKさんのGSFのパーツと思われる出品が始まった。
それからも次々と出品されており、出品されたパーツの写真とKさんのGSFの写真とを照らし合わせておこなったところ、盗まれたGSFであることが明らかになった。
不自然な傷が新たに増えているが、タイヤのエアバルブと製造年月日の表示の位置関係が同じ。更に製造年、製造週、銘柄も同じである。最初からあった傷の位置やタイヤとホイールの組み位置も同じだ。
このほか、マフラーやエアロパーツなどでも同一であることが特定できている。
ついには、このパーツを出品した業者も写真に写りこんだ風景などから特定することができた。三重県桑名市にある解体業者でヤフオクへの出品もこの会社のアカウントからおこなわれていた。
KさんのGSFは何者かに盗まれ、解体業者に売られ、バラされたパーツがヤフオクに出品されていたことが明らかになったのだ。
しかし、この状態まで来ても大阪府警は全く動いてくれなかったという。被害届だけは受理されたが、「ヤフオクにパーツが出品されていました」と申し出ても完全無視だった。(なお、ヤフオクの出品物を含め、すべてのパーツは現在、桑名署に保管されている)