ビッグ・シトロエン復活 C5 Xの乗り心地は? ID 19 XM 新旧ハイドロを比較 前編

公開 : 2023.03.04 09:45

歴代のシトロエンで最も快適なモデルは?

ここで気になるのが、従来のハイドロニューマチックとの違い。新しいC5 Xと、DSやXMを英国の傷んだ路面で乗り比べたら、どんな印象を受けるのだろうか。歴代のシトロエンで、最も快適なのはどの年代のモデルだろう。

シトロエン・マニアにとっては、余り知りたいとは思えない事実かもしれない。今回、DSの廉価版、ID 19を貸してくれたエドモンド・ヒル氏と、XMを貸してくれたロブ・ドレイパー氏には深く感謝を申し上げたい。

ダークグリーンのシトロエンID 19と、ホワイトのシトロエンXM
ダークグリーンのシトロエンID 19と、ホワイトのシトロエンXM

車齢でいうと新旧で50歳も異なる、3世代のシトロエンが集まった。スペック表を見比べると、意外なことにC5 Xは先輩と並ぶ数字が大きくは違わない。

全長は100mmの差に納まっている。最高出力も、1.2L 3気筒ターボを積むピュアテック130 シャインプラスのCX 5は130psで、2.0L 4気筒を積む2.0 SiのXMは129psと並ぶ。1.9L 4気筒を積むID 19は84psと、小さくない開きはあるが。

車重は新しいほど重いとはいえ、それでもC5 Xの1418kgに対しID 19の1168kgと、250kgの差に留まっている。サスペンションが支える負荷も、ほぼ同等といって良いだろう。

ヒルは10年前、レストアを前提にダークグリーンのID 19を2500ポンドで入手したという。当時としても破格値だったが、現在の状態へ仕上げるために10倍近い費用を投じている。それでも、まだ完璧な滑らかさまでには回復できていないそうだ。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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