ホンダK型エンジン搭載 公道も走れるレーシングカー その名も「スパルタン」欧州上陸

公開 : 2023.02.23 06:05

オーストラリアからホンダ製エンジンを積んだレーシングカーが登場しました。車重700kgを切るシンプルなマシンで、欧州向けに販売を開始しています。英国では公道走行も可能です。

オーストラリア生まれの軽量マシン

オーストラリアで10年以上にわたって開発されてきた新型スポーツカー「スパルタン」が、欧州に初めて上陸した。スパルタン・モーター・カンパニーが製造するオープントップの軽量マシンである。

スパルタンは軽量とシンプルさを重視しており、1960年代後半のCan-Amレーサーを彷彿とさせるカーボンファイバー製のボディは、単体で20kgを切る軽さである。

「スパルタン」はライトなどを装着すれば英国で公道走行が認められる。
「スパルタン」はライトなどを装着すれば英国で公道走行が認められる。    スパルタン・モーター・カンパニー

FIAの安全規制に準拠した鋼管製スペースフレームに、セミアクティブのTracTiveダンパーとダブルウィッシュボーンサスペンションを装備する。オプションによっては、車重670kgまで軽量化することができるという。

コンセプトとしてはサーキット走行を主眼に置いているが、英国ではライトなどを装着すれば公道走行が可能となっている。ホンダのK24型2.4L 4気筒エンジンを横置きにミドマウントし、自然吸気では280psを発生させるが、ロトレックス製のスーパーチャージャーを装着すれば「400ps以上」の出力も可能だ。

トランスミッションもホンダの6速MTだが、クワイフの6速シーケンシャルも用意されている。ブレーキの選択も可能で、全車にティレットのカーボンファイバー製バケットシートと6点式ハーネスが装備されている。

セミスリックタイヤを装着し、スーパーチャージャー仕様(車重700kg)では0-100km/h加速2.5秒、自然吸気仕様では3.3秒とされている。フロントスプリッター、リアディフューザー、そしてCFDを駆使して開発された大型ウィングにより、最高速度250km/hで470kg近いダウンフォースが得られるという。

さらに、フロントの車高調整、リアウイングの迎え角の5段階設定、ガーニーフラップの向き調整により、サーキットのコースレイアウトや天候、ハンドリングの好みに応じて空力バランスを操作することができる。

その他、右ハンドルと左ハンドルの切り替えが可能で、ペダルボックスとステアリングコラムを30分ほどで左右に移動させることができる。ボディはファイバーグラス製も用意されている。

スパルタンの価格は、オーストリアでは20万豪ドル(約1840万円)から、英国では12万6000ポンド(約2050万円)からとなる。欧州と英国ではル・マンズ・クーペ社が販売代理店を務める。生産台数は300台を予定している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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