心打たれるインテリア レクサスRX 450h+ PHEVへ英国試乗 快適性も大きな強み

公開 : 2023.03.05 08:25

パワートレインを挽回する走行中の快適さ

駆動用バッテリーの充電量が切れると、450h+は200kg車重が多い350hと同等になる。2.5Lエンジンが一生懸命働くことに迫られ、負荷が強まると大きめのノイズが聞こえてくる。音質も、直列6気筒を搭載するライバルほど聴き応えのあるものではない。

一方で、走行中の車内の快適さがこれを挽回する。レクサスは以前から、外界との隔離性で評判が良い。特に、高速道路を流すような場面では至って穏やかだ。

レクサスRX 450h+ タクミ(英国仕様)
レクサスRX 450h+ タクミ(英国仕様)

試乗車は英国仕様のタクミ・グレードで、21インチと大きなアルミホイールを履いていた。それでも、ライバルが手こずるような荒れた路面を、アダプティブダンパーがしなやかに均していた。

サスペンションにはスポーツ・モードも備わるが、傷んだ路面との相性は低下するようだから、あえて選ぶ必要はないだろう。そもそも、ノーマル・モードのまま見事に仕事をこなしてくれる。操縦性でドライバーへ興奮を誘うことはないかもしれないが。

シンプルでエレガントなインテリア

冒頭で触れた通り、RX 450h+のインテリアはシンプルでエレガント。内装に用いられる素材は質感が高く、造形も美しく、エアコンには実際に押せるハードボタンが設けられている。とても居心地が良い。

運転支援システムやドライブモード、パワートレインのエネルギー管理などは、ダッシュボード中央のタッチモニターで確認や変更ができる。アップル・カープレイと独自システムの切り替えも同様だが、インターフェイスは少々扱いにくい印象だった。

レクサスRX 450h+ タクミ(英国仕様)
レクサスRX 450h+ タクミ(英国仕様)

ステアリングホイールには数個のボタンが付いており、任意に機能を割り当てられる。だが、こちらも設定はややこしく感じた。

リアシートは背もたれの角度がちょうど良く、大柄な大人でも快適。荷室容量は461Lで、このクラスとしては平均以下だが、フロアはフラットで形状が立方体に近い。使い勝手は悪くないはずだ。

新しいレクサスRX 450h+の英国価格は6万4950ポンド(約1045万円)から。試乗車のタクミでは、7万9450ポンド(約1279万円)からに上昇するが、PHEVBMW X5レンジローバー・スポーツよりお手頃。価格面でも競争力はあるだろう。

レクサスRX 450h+ タクミ(英国仕様)のスペック

英国価格:7万9450ポンド(約1279万円)
全長:4890mm
全幅:1920mm
全高:1695mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:6.5秒
燃費:83.3-90.9km/L
CO2排出量:25-26g/km
車両重量:2160kg
パワートレイン:直列4気筒2487cc自然吸気+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:309ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:e-CVT

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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