サポカー体験会に潜入 誰でも参加できる、「踏み間違い」による急発進をなくす取組み

公開 : 2023.03.01 21:25  更新 : 2023.11.24 14:14

「ペダル踏み間違い」が原因の事故をなくしたい……。急発進を抑制する「サポカー」の体験会に行ってきました。どんな機能なのでしょう?

「経済産業省」が主催 5社が出展

経済産業省が主催する「サポカー試乗会」が、2023年2月26日に埼玉県上尾市の「アリオ上尾 東平面駐車場」で開催。コロナ禍が影響し、今回は2年ぶりとのことだ。テレビ埼玉が運営を行い、埼玉県警も協力を行っている。

このイベントは“ペダル踏み間違い”が原因となる事故が後を絶たないことから、安全運転機能を搭載したクルマや後付け装置への理解・認識を深めてもらうことを目的にしたもの。

なくならないペダル踏み間違いによる急発進が原因の事故。自動車メーカー、後付けメーカー各社による抑制装置を搭載した「サポカー」の体験イベント(経済産業省主催)が開催された。写真はスズキ・ソリオ。
なくならないペダル踏み間違いによる急発進が原因の事故。自動車メーカー、後付けメーカー各社による抑制装置を搭載した「サポカー」の体験イベント(経済産業省主催)が開催された。写真はスズキソリオ

とくに高齢ドライバーや運転経験の浅い人が主なターゲットになるだろう。

参加したメーカーは後付け装置メーカーが、「データシステム」「サン自動車」の2社。自動車メーカーが「ホンダ」「スズキ」「ダイハツ」の3社となり、いずれもデモカーを持ち込んでいた。

会場はショッピングモールであるアリオ上尾の東平面駐車場で、買い物が終わったお客さんが愛車へ戻る際にちょうど目に入る位置。

テレビ埼玉による事前の告知やアリオ上尾入口などでのポスター掲示、警察署員の声かけなどの効果もあり、関心を持つ人もかなり多く見られた。パトカーや白バイの展示で父親や母親の手を引く子どもの姿も少なくなかった。

ペダルを床まで踏み込むと……

受付で誓約書を書けばだれでも飛び入りで参加ができるのが本イベントの特徴。ただし今回は運転による体験ではなく、助手席・後席に乗っての同乗体験となる。

参加者がはじめに後付け装置メーカー、自動車メーカーのどちらかを選択すると係員が誘導してくれる。

こちらはデータシステム社の「アクセル見守り隊」「ペダルの見張り番II」(機能は共通で、販路によって名前が異なる)。今回は特別に、オプションユニットを外から見える場所に設置してくれた。
こちらはデータシステム社の「アクセル見守り隊」「ペダルの見張り番II」(機能は共通で、販路によって名前が異なる)。今回は特別に、オプションユニットを外から見える場所に設置してくれた。

実際にデータシステムのデモカーで体験をしてみたが1名あたり10分以上の時間をかけてくれるため、気になったことは質問ができ、説明もゆっくりと聞くことができた。もちろんショップではないのでセールスされる心配もない。

データシステムのペダル踏み間違い防止装置は「アクセル見守り隊」と「ペダルの見張り番II」(どちらも機能は共通)。

これらは停車時、または徐行時(10km/h以下での前進および後退)にアクセルペダルが急激に踏み込まれたり、アクセルペダルとブレーキペダルが同時に踏み込まれたりするとアクセル信号が“自動”でキャンセルされるもの。

体験レーンでスタッフがアクセルを床に着くまで一気にベタ踏みしても、人が歩く程度のスピード(クリープ状態)でノロノロとしかクルマが前に進まなかった。

これならば踏み間違いに気づいてすぐにブレーキを踏めば事故を起こさずに済むだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    浜先秀彰

    Hideaki Hamasaki

    千代田工科芸術専門学校写真科を卒業後、自動車専門誌編集部スタッフを経て、フリーランスライターとして独立。現在は執筆、編集、撮影を一人で行うことも多い。カーナビやドラレコのレポートを得意とするが、守備範囲はカスタムパーツや洗車ケミカル、車内小物までを含むカー用品全般となる。YouTube「カーグッズチャンネル」を2021年より運営。

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