トヨタ・グループ、回復の筋道が見えたか 2月の新車販売実績で見る、他ブランドとの「差」

公開 : 2023.03.02 05:45  更新 : 2023.11.08 01:13

トヨタとトヨタ以外の差

さらに「ブランド別でみると日野自動車とマツダを除いて、トヨタ・グループおよびトヨタと提携を結ぶメーカーが、“代替部品への切り替え”が功を奏したようで販売台数を伸ばした。それ以外のブランドは、部品の供給不足による生産調整の影響は縮小したものの、受注残を解消できない状況が続いている」と示唆した。

今後に関しては、「需要は新型車を中心に堅調で、さらに年度末の決算期に向けて多くの受注を獲得しそうな新型車や特別仕様車が各ブランドから今後も発売される予定。また、前年同期の販売台数が低調だったことから、来月以降もプラスの達成が濃厚」。

トヨタが発表する「工場出荷目処」では、写真のヴォクシー/ノアは6か月以上とされている。対する日産セレナ(ガソリン車)は1~3か月、ホンダ・ステップワゴンは1年程度。こうした期間の差が、販売にどう影響するか、まずは年度末商戦に注目したい。
トヨタが発表する「工場出荷目処」では、写真のヴォクシー/ノアは6か月以上とされている。対する日産セレナ(ガソリン車)は1~3か月、ホンダステップワゴンは1年程度。こうした期間の差が、販売にどう影響するか、まずは年度末商戦に注目したい。    池之平昌信

そして、「部品供給の見通しが依然として不安定なため、生産調整は今後も一部で起こる目算だが、海外を含めたサプライチェーンの状況は確実に持ち直しつつある。各ブランドが代替部品への切り替えなど、様々な対策を実施していることも、受注残の解消に効果を発揮するだろう」

「一方で懸念材料としては、依然として続く半導体不足やウクライナ情勢に伴う原材料の供給不安定、および価格の高止まりなどが挙げられる。車両価格の上昇傾向や政府の増税施策なども、消費マインドにはマイナス」と指摘した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大貫直次郎

    Naojiro Onuki

    1966年型。早稲田大学卒業後、自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、フリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)などのほか、レストア待ちの不動バイク数台。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』シリーズなど。

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