市販できそうな訴求力 BMW iX5 ハイドロジェンへ試乗 燃料電池スタックはトヨタ製

公開 : 2023.03.10 08:25

量産車のラインナップに加われる完成度

iX5 ハイドロジェンはBEVに伍する選択肢として、量産車のラインナップに加われる完成度にあると感じた。内燃エンジンとは異なり走行中はCO2を排出せず、駆動用バッテリーより短時間でエネルギー補給できる。

BMWはこの開発に4年を費やしたが、水素ステーションなど外的な要因もあり、市販予定はないという。インフラ次第では今後ショールームに並ぶことを否定しないが、最短でも2020年代の後半だと予想されている。

BMW iX5 ハイドロジェン(欧州仕様)
BMW iX5 ハイドロジェン(欧州仕様)

ちなみに日本には、既に161か所の水素ステーションがある。今後1000か所へ増やす計画も立てられている。市販化が絵空事とはいえない。

実際に試乗してみて、詳しく考えるほど、BMWがFCEV開発へ取り組む理由が見えてくる。課題もあるが、普及しないことが不思議にすら思える。

BMWには、グループ5レースを前提にしたスーパーカー、M1を開発し、目立った見返りを得なかった過去がある。だが、これは偶然の結果といえた。iX5 ハイドロジェンは、同じ道を歩むことになるのだろうか。時間が見通しを切り開くのかもしれない。

BMW iX5 ハイドロジェン(欧州仕様)のスペック

英国価格:−
全長:4922mm
全幅:2004mm
全高:1745mm
最高速度:185km/h
0-100km/h加速:6.0秒以下
航続距離:503km(WLTP値)
燃費:1.19kg/100km(H2)
CO2排出量:−
車両重量:2460kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
使用燃料:水素
最高出力:401ps
最大トルク: 72.3kg-m
ギアボックス:−

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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