【現実の環境でテスト】メルセデス・ベンツEQE 350+ 一般道/高速道路/峠道で検証
公開 : 2023.03.03 10:45 更新 : 2023.03.03 10:52
現実に即した環境でメルセデス・ベンツEQE 350+に試乗。充電結果や電費、ドライブフィールなど、良かったこと、気になったことを紹介。
メルセデスEQの主力モデル 実力は?
先日のメルセデス・ベンツEQSの試乗に続き、同時に発売されたミディアム・クラスのEQEの試乗をおこなった。
販売戦略としては、ターゲットゾーンであるEQEの方が遥かに多いはずで、将来の主力となる車種の実力をたしかめることができた。
EQEのボディデザインはEQSと酷似している。
短めのフロントボンネット部分から空力を考慮した傾斜のゆるやかなラインがフロントウインドウに向けて立ち上がり、クーペスタイルのキャビンに繋がっている。
このデザインコンセプトは、2003年に発表されたCLSのデザインに端を発する「ワン・ボウ」すなわち弓を横に置いたような形状の究極形であるといえる。たしかにサイドから見れば、その特徴は一目瞭然だ。
EQSとの違いは、フロントグリル部分のカットの形状の差と、リアのゲートがリアウィンドウと一体になっていないことぐらいである。
ボディサイズは、4970×1905×1495mm(全長×全高×全幅)、ホイールベース3120mmでEQSよりもすべてのサイズがひとまわり小さい。この辺りは、ヒエラルキーをしっかり守るメルセデスらしい。
8kWh充電器で6.3kWhしか流れない……
エクステリアのカラーは、アルペングレーと呼ばれるパステル調の明るいグレーである。
近づいてみるとかなりのサメ肌であったが、これは意図的なものかは判らない。
また、各部のパネルの合わせは、過去のメルセデスのレベルからすればやや低いと言わざるを得ないが、この辺りはメーカー側としてあまり気にしていないことなのかもしれない。
インテリアは、ブラックとグレーの組み合わせで落ち着いてはいるが、ライト点灯で室内をグルリと回るブルーのステッチが点灯して驚く。
この趣味は個人的にはあまり好きではないが、美しいと感じる人の方が多いかもしれない。
ダッシュボードはEQSと異なり、全面のディスプレイではなく助手席の前は細かいスリーポインテッドスターの羅列が入った面があるだけで、たしかにシンプルであるが、やや寂しい感じもする。
EQEを受け取った時の走行距離は2895km時であり、この時のバッテリー残量は84%、走行可能距離は450kmであった。
早速、8kWhの普通充電器で充電を開始すると、EQSと同様6.3kWhしか流れず、満充電までに2時間31分掛かった。
このクルマの搭載バッテリーは90.6kWhで、リアを駆動する292ps(215kW)のモーターにより、624kmの航続距離が可能とカタログには謳われているが、満充電時の走行可能距離は523km(最大586km)であった。
冬でヒーターにかなりのパワーが食われ、また低温ということを考慮すると妥当な数値ではないかと思う。
すべての操作はEQSと同様であるが、着座位置はなかなか決まらず最後までスッキリしないままであった。
ステアリングは、EQSよりもややメリハリに欠け中心付近でも曖昧さが感じられた。
このことからEQSに比べ、あまりアクセルを踏み込むことが無かったので、結果的にかなり良好な電費になったのは皮肉である。