全方位で進化 メルセデス・ベンツ、新型GLCクーペ 3月発表予定 プロトタイプ試乗

公開 : 2023.03.03 18:05

電気だけで130km走れる 足の長いPHEV

新型GLCクーペのパワートレインの詳細は伏せられているが、AUTOCARはガソリンとディーゼルの計画を確認することができた。いずれも統合スタータージェネレーター(ISG)を搭載する48Vマイルドハイブリッドで、加速時に23ps(17kW)と20.4kg-m(200Nm)を追加する。

GLC 200クーペは、ターボチャージャー付き2.0L 4気筒ガソリンエンジンを搭載し、最高出力204ps(150kW)、最大トルク32.6kg-m(320Nm)を発生する。その上に位置するのがGLC 300クーペで、同じエンジンを搭載しながらよりパワフルなチューニングを施し、258ps(190kW)と40.8kg-m(400Nm)を発生する。

メルセデス・ベンツの新型GLCクーペ(プロトタイプ)
メルセデス・ベンツの新型GLCクーペ(プロトタイプ)    AUTOCAR

英国では、ターボチャージャー付き2.0L 4気筒ディーゼルエンジンを搭載し、197ps(145kW)と44.8kg-m(440Nm)を発生するGLC 220dクーペも加わる予定だ。

また、3種類のPHEVモデルも計画されている。GLC 300eクーペとGLC 400eクーペは、ターボチャージャー付き2.0L 4気筒ガソリンエンジンと電気モーターを共有し、システム出力は前者が312ps(230kW)と56.1kg-m(550Nm)、後者が380ps(280kW)と66.2kg-m(650Nm)となっている。

開発中のディーゼルPHEVモデル、GLC 300deクーペもある。こちらは、ターボチャージャー付き2.0L 4気筒ディーゼルと電気モーターを組み合わせて、最大333ps(245kW)と76.5kg-m(750Nm)を発揮する。

いずれのPHEVモデルにも24.8kWhバッテリーが搭載され、EV航続距離はWLTPサイクルで130km以上と謳われている。充電能力も向上し、ACシステムでは11kW、DCシステムでは最大60kWの充電に対応しており、コルブ氏によると後者は20分以内に10~80%の充電が可能だという。

全車に9速AT「9Gトロニック」と四輪駆動システム「4マチック」が標準装備され、前後45/55の駆動配分となる。英国編集部が同乗したGLC 300クーペは、ガソリンエンジンの基準からしてもよく洗練されており、低いギアでの負荷振動が大きく減り、高いギアでは巡航速度で純粋に静粛性を高めている。

ガソリンモデルには、エコ、コンフォート、スポーツ、オフロード、インディビジュアルの5種類の走行モードが用意されている。スポーツでは、圧倒的な性能とまではいかないものの、意欲的な走りが楽しめる。0-97km/h加速のタイムは未公表だが、SUVのGLC 300が謳う6.2秒に匹敵すると思われる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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