プジョー205 GTi あの頃のクルマ好きに愛されたホットハッチ 写真で振り返る歴史

公開 : 2023.03.04 18:05

プジョーのスポーツモデル「GTi」の代表格として、今もなお不動の人気を誇る205 GTi。小さなボディに快活なエンジンを載せたホットハッチは、多くのドライバーに愛されてきました。その歴史を振り返ります。

不動の人気を誇るホットハッチ

プジョー205 GTiは、多くの人が史上最高のホットハッチの1つとみなしている。

1994年に生産を終了して以来、その魅力を味わうことができなくなった。しかし、プジョーが「GTi」シリーズを重要なヘリテージと位置づけていることから、現代風のアレンジに対する期待が高まっている。そんなホットハッチファンの期待に応えるべく、今回はその歴史を振り返ってみたいと思う。

プジョー205 GTi
プジョー205 GTi

プジョー205の誕生は1983年、104の後継車として産声を上げた。104と305のギャップを埋めるために作られた205は、ジェラール・ウォルター氏がエクステリアを、ポール・ブラク氏がインテリアの線を引いた。デビューの年、欧州カー・オブ・ザ・イヤーで準優勝を果たしている。

プジョーはやがて205の持つスポーティな素質に気づき、翌1984年4月に205 GTiを発表した。最高出力106psの1.6Lエンジンを搭載し、900kgを切る重量で、0-100km/h加速8.7秒、最高速度186km/hを誇った。

1986年末には、132psを発生する1.9L車が発売され、0-100km/h加速7.8秒、最高速度204km/hを実現した。同年には1.6Lも改良され、ピークパワーは116psとなった。

ピーキーな1.6Lとトルクフルな1.9Lはそれぞれ魅力があり、現在でもモータージャーナリストの間でどちらのGTiが優れているか意見が分かれている。しかし、どちらにしても史上最高のホットハッチバックの1つとして評価されていることに違いはない。

さまざまなバリエーションが登場

1984年、現FIA会長ジャン・トッド氏率いるプジョー・タルボ・スポールは、205 T16を世界ラリー選手権に投入した。また、ホモロゲーション用に200台の市販車も製造された。

四輪駆動と横置きミドシップレイアウトを採用しながらも、市販のT16はWRCマシンとの共通点が少なく、当初は約200psと半分以下のパワーしかなかった。しかし、205 T16エボ2は最高出力456psと0-97km/h加速3.3秒を実現し、それまでの低評を覆した。

ミドシップのプジョー205 T16はラリーで大活躍した。
ミドシップのプジョー205 T16はラリーで大活躍した。

1985年、プジョーはピニンファリーナの手腕を生かしたカブリオレ仕様を開発し、GTiと同じスポーティなスタイリングを持ちながらルーフを外した「CTi」をリリースした。当初1.6Lで、後に1.9Lも搭載した。

1986年から1992年まで生産された205 XSや、希少な超軽量モデル205ラリーなどの派生モデルもガソリンマニアの間で高い評価を得た。上級装備や防音材をほとんど取り除き、必要最低限の電気系統だけを残したラリーの車両重量は795kgに抑えられ、76psの1.4Lエンジンで0-97km/h加速を11.3秒で駆け抜ける(英国仕様)。

1992年、プジョー英国部門はBBC Radio 1の開局25周年を記念して、特別限定車を発表した。「Radio1FM」のバッジとデカール、グレーのアロイホイール、製造番号を示すプレート、車体色はブラックのみで、わずか25台が製造された。

記事に関わった人々

  • 執筆

    トム・モーガン・フリーランダー

    Tom Morgan-Freelander

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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