プジョー205 GTi あの頃のクルマ好きに愛されたホットハッチ 写真で振り返る歴史

公開 : 2023.03.04 18:05

これからの「GTi」はどうなる?

最終的に生産を終了したとき、205は合計520万台出荷されていた。その後に発売された106 GTiと306 GTiは新しい世代のファンを獲得したが、評論家はおおむね205 GTiに代わる最高のホットハッチにはなり得ないという意見で一致した。1996年に発売された306 GTi-6は、最高出力169psの2.0Lエンジンとクローズレシオ6速トランスミッションの組み合わせで、その座に近づいた。その後発売された306ラリーは、500台限定ながら車両重量を52kg削減した。

1998年、205の後継モデルとして初めてGTiのバッジを付けた206 GTiが登場するが、ハンドリングに華がなく、期待外れとされた。207 GTiはもう少し良くなったが、当時クラストップを争っていたルノー・スポール・クリオやヴォグゾールコルサVXRと肩を並べるほど尖ってはいない。

プジョー205 GTi
プジョー205 GTi

プジョーは2014年、205 GTiの誕生30周年を記念して、当時最新世代の208に限定車を設定する。208 GTiは英国でわずか100台が限定販売された。208psと30kg-mを発生する1.6L THPガソリンエンジンを搭載し、トルセンデフはスポーツカーRCZ Rから移植したものだった。ローダウンサスペンション、ワイド化されたフロント/リアトレッド、大型の18インチアロイホイールがが、限界域でのパフォーマンスで取り戻した分、日常での使い勝手は失われてしまった。

将来はどうなるのだろう? 現行世代で208 GTiも考えられるが、ガソリンエンジンである可能性は低く、このバッジをつける最後のモデルになるかもしれない。プジョーはEVに目を向けており、小型車用に強力なエンジンを生産してもほとんど得るものがないため、現在標準の1.2L 3気筒の208よりも、EVのe-208が有力候補となる。

また、プジョーは508にPHEVモデルのプジョー・スポール・エンジニアード(PSE)を設定しており、今後電動化されたパフォーマンスモデルには「PSE」が採用されるという。

一方、プジョー公認のレストア作業が予定されている。プジョーの本拠地、フランスのソショーにあるMusee de l’Aventure PEUGEOTでレストアを行い、「本物」であることn証明書を付けて販売するものだ。入手不可能な部品は3Dプリンターで作成し、新車同様の状態に戻すことを目的としている。205 GTi 1.9L車がその第一号となる予定である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    トム・モーガン・フリーランダー

    Tom Morgan-Freelander

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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