BMW 520d ツーリング
公開 : 2014.09.18 23:50 更新 : 2017.05.29 17:59
また標準の駆動方式はお馴染みの後輪駆動になるのだが、オプションでxDrive四輪駆動も選択ができる。ただし注意が必要なのは乾燥重量の増加。トラクションの拡大は約束されるのだが、後輪駆動モデルの乾燥重量1735kgにたいして105kg増の1840kgに達する点は放ってはおけない。
520dの弟分に位置する518dも購入の際の比較検討材料として取っておくのもよいだろう。518dもサルーンとワゴンが用意され、B47をわずかにデチューンしたユニットの最高出力は4000rpmにて150ps、最大トルクは1750-2500rpmにて36.6kg-mを発生する。
■どんな感じ?
かねてから評判の良い4気筒エンジンに、インジェクター手前で高圧化した燃料をレールの中へ溜めておく、所謂 ’コモンレール’ 技術を採用したことにより、さらに経済性に拍車をかける。当のBMWによれば、520dは20%程度の売上拡大を見込んでいるようだ。
ただし経済性一辺倒になってはおらず、あくまで動力性能や洗練もバランスよくレベルアップしている点が良い。全体的にトルクフルな印象を考慮すれば、1500rpm以下ではやや精彩を欠く点も看取できるけれど、やはりそこから上のパンチはディーゼルならではの安心感がある。
それだけではなく、冷間時の反応や、ブーストが掛かり始めてからのマナーも大きく成長した点のひとつ。機関のフリクション低減の成果や、デッドニングの改良も相まって、モーターウェイの速度では至極快適に運転をすることができた。
高回転域では他のディーゼル同様に、得意分野とは言いがたいけれど、それでもガラガラと耳障りな音を一切発することはなく、そのマナーは ’静か’ あるいは ’穏やか’ という表現がぴったりの出来栄えである。
テスト車両に組み合わされていた、8速のオートマティック・ギアボックスも驚くほど正確な変速を行ってくれるし、迅速で歯切れの良いシフトマナーにはいつまでも感動させられっぱなしだった。
キックダウン時の反応もほとんどタイムラグを感じることはなく、ギア・レシオの設定も絶妙そのもの。速い流れに合わせ、8速で走行した際も、非常にスムーズかつ力強い走りを見せてくれた。