スーパーなM5から堅実なディーゼルまで BMW 5シリーズ(G30型) 英国版中古車ガイド

公開 : 2023.03.14 08:25

iドライブ・システムは最高峰の完成度

インテリアの設えは、プレミアム・ブランドのサルーンならでは。メーターパネルはモニター式で、ダッシュボードには12.3インチのタッチモニターが据えられ、すべての操作系のレイアウトに不満は感じないはず。

インフォテインメント・システムは、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応。BMW独自のiドライブ・システムは、最高峰の完成度といえる。センターコンソールにはショートカットキー付きのロータリー・コントローラーがあり、操作性も秀抜だ。

BMW 5シリーズ 520d(G30型/フェイスリフト前/英国仕様)
BMW 5シリーズ 520d(G30型/フェイスリフト前/英国仕様)

内装の素材は高品質で、デザインにも落ち着きがあり、上級モデルらしい雰囲気が漂う。シートは大柄で座り心地に優れ、車内空間は前後ともに広々。荷室もスクエアな形状で大きい。

まだ現行モデルとなるG30型の5シリーズだが、2016年の発表ということで比較的お手頃な中古車が流通し始めている。英国の場合、初期型なら1万8000ポンド(約289万円)程度から探すことができる。殆どがディーゼルターボの520dになるようだ。

2018年式から2019年式では、2万2000ポンド(約354万円)前後へ価格帯が上昇。2020年式になると、3万2000ポンド(約515万円)前後、フェイスリフト後の2021年式では、3万5000ポンド(約563万円)前後が英国の相場となっている。

知っておくべきこと

G30型5シリーズの平均燃費は、520dで20.0km/Lと良好。ディーゼルターボは全般的に優秀だ。プラグイン・ハイブリッドの530eの場合、電気だけで走行可能な距離はフェイスリフト前で最長46km。2021年のフェイスリフト後は59kmへ伸びた。

AUTOCARの姉妹メディアの調査によると、信頼性ではガソリンターボの方が上。ポイントは95%を得ている。ディーゼルターボでは90.4%、プラグイン・ハイブリッドは91.6%と、差が開いている。

BMW 5シリーズ 520d(G30型/フェイスリフト前/英国仕様)
BMW 5シリーズ 520d(G30型/フェイスリフト前/英国仕様)

トリムグレードとスペック

Mスポーツ・プロ:通常の5シリーズでアダプティブダンパーが組まれるのは、Mスポーツ・プロ。予算が許すなら、間違いなく選ぶ価値はある。

BMW 5シリーズ 520d(G30型/フェイスリフト前/英国仕様)
BMW 5シリーズ 520d(G30型/フェイスリフト前/英国仕様)

購入時に気をつけたいポイント

リコール

複数のリコールが英国では出されている。リア・ドライブシャフトの耐久性が充分ではない可能性、エグゾーストの循環系に不具合があり出火する可能性、カーテンエアバッグの膨張装置に不具合があり、正常に展開されない可能性が報告されている。

プラグイン・ハイブリッドの場合は、駆動用バッテリーに不純物が混合し、ショートする可能性もある。購入時はディーラーへ持ち込み、すべて対応済みか確認したい。

BMW 5シリーズ 520d(G30型/フェイスリフト前/英国仕様)
BMW 5シリーズ 520d(G30型/フェイスリフト前/英国仕様)

英国編集部の推しチョイス

ベスト:530e

英国編集部のお気に入りグレードとなるのが、プラグイン・ハイブリッドの530e。速く滑らかで上質で、短距離なら駆動用バッテリーだけで走行可能。充電をこまめに繰り返せば、驚くほどの燃費を得られる。中古車の場合、520dとほぼ価格は同等なようだ。

ワイルドカード:M5 CS

最高速度300km/h以上、0-100加速3.0秒のスーパーサルーン。市街地を穏やかに走れ、実用性は通常の5シリーズと変わらず、誠実な雰囲気ながらドライバーの気持ちも掴める。高価とはいえ、最高のドライバーズカーの1台だ。

BMW  M5 CS(英国仕様)
BMW M5 CS(英国仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ピアソン

    Mark Pearson

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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