共感できるベーシックな魅力 シトロエンC3 ユー!へ試乗 C1に代わるベースグレード

公開 : 2023.03.15 08:25

運転はそこそこ楽しい 素の魅力に共感

ダッシュボードの中央には、モノクロ表示の小さいインフォテインメント用モニターが収まる。ブルートゥースに対応しないだけでなく、カーナビやスマートフォンとの接続機能もない。もっとも、少し前まではこんなものだった。

選択できるエンジンは、自然吸気の1.2L直列3気筒ガソリンのみ。最高出力は83sp、最大トルクは12.0kg-mと限定的で、5速MTと組み合わされる。ATの用意はない。

シトロエンC3 ユー! 1.2ピュアテック(英国仕様)
シトロエンC3 ユー! 1.2ピュアテック(英国仕様)

発進させてみると、シトロエンらしくステアリングホイールを回した反応が軽快。姿勢制御はおおらかで、路面からの入力に対してボディが大きめに動く。

クラッチペダルやシフトレバーの感触は、好ましいとまではいえないが、気持ちよく吹け上がるエンジンの力を発揮させるのには充分。回転フィールは洗練されていて、燃費も良いようだ。

ターボエンジンのように、低回転域でのトルクを生かした安楽さはない。それでも、左手と左足を積極的に動かせば、英国の交通環境に充分な動力性能を引き出せる。正直いって、運転はそこそこ楽しい。

スチールホイールにホイールキャップという組み合わせを除けば、C3 ユー!は価格価値に優れると思う。ただし、ダチアやMGモーターのライバルモデルの方が、より広い車内空間や充実した装備を備えており、最もコスパが高いとまではいえない。

それでも、素のシトロエンらしい魅力は捨てがたい。これに共感できるユーザーは、少なくないはずだ。

シトロエンC3 ユー! 1.2ピュアテック(英国仕様)のスペック

英国価格:1万3805ポンド(約222万円)
全長:3996mm
全幅:1749mm
全高:1474mm
最高速度:165km/h
0-100km/h加速:12.5秒
燃費:17.2-19.2km/L
CO2排出量:123g/km
車両重量:980kg
パワートレイン:直列3気筒1199cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:83ps/5750rpm
最大トルク:12.0kg-m/2750rpm
ギアボックス:5速マニュアル

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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