次期型ポルシェ911 GT2 RS 約700psのマイルドハイブリッドへ 2026年デビュー見込み

公開 : 2023.03.06 18:05

ポルシェ911のハードコアモデル、GT2 RSは次期型でハイブリッド化へ。重量増加を最小限に抑えつつ「700ps以上」の出力を目標にしていると関係者は語ります。

911最速モデル 電動化の道を切り拓く

ポルシェは、911の電動化に向けて、新型「GT2 RSハイブリッド」で基礎を固める。このモデルは、911の中で最もパワフルかつ最も加速の速い市販モデルとなる予定だと、同社関係者は述べている。

2026年の発売を見込む新型911 GT2 RSハイブリッドは、新開発のハイブリッドパワートレインを搭載し、「700ps以上」の出力を目標にしているという。価格は25万ポンド(約4000万円)を超えると予想される。

次期ポルシェ911 GT2 RSハイブリッドの予想レンダリングCG
次期ポルシェ911 GT2 RSハイブリッドの予想レンダリングCG    AUTOCAR

パワートレインには、ル・マン24時間レースで優勝した919ハイブリッドや、その後継として最近発表されたLMDhマシンの963の技術を応用する。新型911 GT2 RSをはじめとして、他の911モデルにも順次導入されることが想定されている。

カイエンパナメーラに搭載されているようなPHEVステムが911に搭載される可能性は低く、AUTOCARは電気モーターで内燃機関を後押しするマイルドハイブリッド・システムを基本としていることを確認した。

これは、ポルシェ963で見られる、ボッシュ製電気モーターの支援を得た最高出力640psのターボチャージャー付き4.6L V8ガソリンエンジンよりも「さらに高度」なパワートレインであると説明されている。

GT2 RSハイブリッドのベースとなるのは、3.8Lフラット6をハイブリッド化した911ターボだ。

足回りがどのように設定されるかは、まだ詳細が明らかになっていない。しかし、新しいマイルドハイブリッド・システムを搭載した911ターボのプロトタイプでは、電気モーターと空冷式リチウムイオンバッテリーがフロントシート後方の低い位置に配置されている。市販車では、バッテリーをリアシートの後ろに配置し、39:61の前後重量バランスを実現する見込みである。

ポルシェが2021年に出願した特許によると、冷却システムはまだ市販車に導入されていない技術で、電動ターボチャージャーからの空気を使用するため、追加のファンは必要ないようだ。

バッテリーは直接充電することなく、エネルギー回生に頼って蓄電することになる。ポルシェは、従来の回生ブレーキシステムとともに、加速時にも電気エネルギーを生成できるよう排気管内に可変ジオメトリータービンを開発中であると言われている(919ハイブリッドで採用されているポルシェ・モータースポーツの技術)。

AUTOCARの情報筋によれば、第4世代の次期型ボクスター/ケイマン用に開発されている800Vの電動ドライブトレインとは異なり、911では重量とサイズの観点から400Vを使用するという。

短距離であれば電気のみで走行できるが、新しいマイルドハイブリッドの焦点は、「重量増加を最小限に抑えて性能を高める」ことにある。

関係者は「700ps以上」の出力と「トルクの大幅な増加」を目指していると語る。そのため、新型のベンチマークとなる性能は、先代モデルの0-100km/h加速2.8秒と最高速度340km/hとなる。

ポルシェが従来のマニュアル・トランスミッションを堅持するかどうかは、25kg-m以上と言われる電気モーターがもたらす追加トルクを処理する能力にかかっている。

また、バッテリーと電気モーターの追加による重量増加を可能な限り相殺すべく、ポルシェは従来のヴァイザッハ・パッケージと同様の対策を施した軽量ボディを開発中だ。重量増は100kgを超えないことを目指しているという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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