フォルクスワーゲン・トゥアレグ 3.0TDI

公開 : 2014.09.18 23:40  更新 : 2017.05.29 18:58

尿素を還元剤として排気ガスに含まれる窒素酸化物を浄化する、尿素SCRを適合させることによって、複合サイクルにおけるCO2排出量は174g/km、燃費は15.2km/ℓを達成。ユーロ6のレギュレーションにも対応し、英国で社用車として買った場合、税金の面でも優位に立つことが可能となった。

もうひとつ下のグレードの車両価格は、こちらよりも£1,500(27万円)安価な£43,000(760万円)から。最高出力と最大トルクは先代より据え置きの204ps/3200rpmと46.2kg-m/1250-3200rpmとなる。また燃費こそ本テスト車両と変わりはないが、CO2排出量は1g/km少ない173g/kmと言うのがフォルクスワーゲンの公表値だ。

これらの経済性を達成した要因のひとつに、フォルクスワーゲン自慢のブルーモーション・テクノロジーがある。具体的には標準の8速オートマティック・ギアボックスにコースティング機能がついたのだ。

これは日本語で言うところの惰性走行機能。今となってはお馴染みのスタート・ストップ技術を拡張することによって、走行中にも一時的にエンジンを停止させ、燃費を向上させるシステムだ。またブレーキングによって生じるエネルギーを再利用する、回生システムもこのモデルから導入されている。

グレードによっては、スロバキアの首都であるブラチスラヴァで生産される5段階式のエア・サスペンションとリアの機械式デフロックが組み合わされる。これらはアウディQ7ポルシェカイエンで使用されるのと同じもので、悪路を走る際のトルク分配はフォルクスワーゲン製の4モーション・テクノロジーが司る。そうすることによって、突出したオフロードの走破性を獲得したのである。

■どんな感じ?

価格、経済性、動力性能の全てのバランスが高いことから、ラグジュアリーSUVを欲する層のなかでも、かなり広い範囲で支持されるのではないだろうか。

どこから見てもシャープになったため、エクステリアの意匠変更も大成功と言えるだろう。インテリアもエルゴノミクスに優れ、質感、使い勝手ともに非常に高いレベルに到達した。

また、これらの変更により、トゥアレグを一段階上のラグジュアリーに仕立てようとしていることも明確になった。視認することは難しいけれど、実際に触れてみれば、フォルクスワーゲンの試みに気付かされるはずだ。

英国市場のリストから既に外されてしまった4.2ℓのV8エンジンのような押し出し感は無いけれど、それでも改良が施された3.0ℓ V6ディーゼルのパフォーマンスは十分なもの。広範囲におけるレスポンスの良さは、クラスを代表する出来栄えだと言っても過言ではない。

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