家族の楽しさ広がるSUV 10選 激戦区の欧州で鍛え抜かれた万能ファミリーカー
公開 : 2023.03.11 18:05
6. スコダ・コディアック
チェコの自動車メーカーであるスコダのラインナップの中で、コディアック(Kodiaq)は古い車種の1つだが、2021年のフェイスリフトによって、オプションにさえ気をつければ、かなりお買い得なモデルとなっている。
優れたオールラウンダーであるが、一体何を犠牲にしているのだろうか? プレミアム感のある素材が使われており、思ったほどには安っぽくないし、うまくまとめられているように感じられる。コディアックよりも高級なファミリーSUVはあるが、この価格でこれだけのスペースを提供するものはそうそうない。エントリーグレードを除く全車で7人乗りが標準とされている。
下位グレードでもハンドリングは良好で、俊敏性と安定性があり、ステアリングホイールが実際より小さいと思わせるほど、クルマとつながっているようなフィーリングがある。
コディアックにはまだ電動化パワートレインがなく、2024年に新型が発売されるまで電動化されることはなさそうだ。そのため、税制面的に社用車としてはあまり魅力的ではないが、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンは非常に質素なもので低燃費である。EVにしたい場合は、スコダ・エンヤクiVが優れた選択肢となるが、7人乗りではない。
唯一避けたいのは、高性能モデルのコディアックvRSである。2021年のフェイスリフトでディーゼルからガソリンに切り替わったのだが、骨太感のあるディーゼルエンジンとは異なり、やや無理がある。
7. ジャガーFペイス
Fペイス(F-Pace)は、ジャガー初のSUVとして2016年に登場した。優れたハンドリングと十分な室内スペースを持ち、小型のEペイスに抜かれるまでジャガーのベストセラーに君臨していた。
2021年に行われたフェイスリフトでは、外観上の変化はかなり控えめだったが、旧式化したインテリアのほとんどが作り直された。モダンで上品な印象になり、素材の質感も全体的に優れている。不便だった旧型インフォテインメント・システムも、より使いやすい「Pivi Pro」に変更された。
パワートレインには、ガソリンとディーゼルの4気筒エンジンに加え、マイルドハイブリッドの直6も設定されるなど、ラインナップが充実した。また、PHEVのFペイスP400eも導入されている。当初はライバル車と比較してEV航続距離が短かったが、2023年モデルでは19.2kWhの大型バッテリーを搭載して65kmに引き上げ、税制面でもより有利になっている。
直6ガソリンのFペイスP400は素晴らしいが、いかんせん燃費が悪いので、街中と郊外をバランスよく走るうえでは、ディーゼルのFペイスD300が依然として最適解である。マイルドハイブリッドの4気筒ディーゼルは、以前よりもドライバビリティと洗練度が向上している。
V8を積んだFペイスSVRは、ドラマチックなパフォーマンスSUVの見事な一例であり、絶対的な暴君である。しかし、その豪快さと引き換えに、経済性の低さや悪目立ちすることを受け入れなければならないだろう。