家族の楽しさ広がるSUV 10選 激戦区の欧州で鍛え抜かれた万能ファミリーカー
公開 : 2023.03.11 18:05
10. キア・ソレント
2002年に登場した初代モデルから、ずいぶんと進歩したものだ。4代目となる最新型のキア・ソレント(Sorento)は、デザイン的な魅力だけでいえば、高級車と肩を並べられるだけの実力を備えている。
洞窟のように広い室内スペースと7人乗りのレイアウトのおかげで、本稿で紹介する10車種の中でもずば抜けて広くて実用的な、多用途な1台である。このハンサムな韓国製SUVにできないことはほとんどないと、表面上は思えるだろう。
しかし、しかし、だ。従来のハイブリッドパワートレインでは、日常走行で期待されるような燃費の向上は望めないし、動力性能もごく平凡である。一定速度のクルージングでは十分快適だが、少し深入りすると、特にボディコントロール、乗り心地、ステアリングフィールにあらが目立つようになる。
7人乗りSUVとしてのソレントの強みは、コディアックやタラッコとは異なり、PHEVが選べるという点だ。EV走行距離は56kmで、税制的にそれほど大きなメリットはないが、従来のハイブリッド車よりは好ましい。しかし、走行距離の多いドライバーには、洗練されたパフォーマンスを提供するディーゼルをお勧めしたい。
本稿で上位に入らなかったのは、現在ではかなり高額になってしまったからだ。英国価格は4万9000ポンド(約800万円)から6万ポンド(約980万円)近くまで上昇している。いくらフラッグシップモデルとはいえ、このような価格設定は、キアがかつてのようなコストパフォーマンスの高いブランドではなくなりつつあることを証明している。