ミニ 新型EV「クーパー」プロトタイプ発表 原点に立ち返るハッチ 2024年夏発売へ

公開 : 2023.03.08 18:05

ガソリン車にMT設定はなし

内燃機関搭載のクーパーは、英国で生産される予定だ。

ミニはAUTOCARの取材に対し、今後のモデルにマニュアル・トランスミッションを用意しないことを「99%確信している」と回答しており、内燃機関車には8速ATのみが採用されると予想される。

アジア、中国市場で大きな飛躍が期待されている。
アジア、中国市場で大きな飛躍が期待されている。    ミニ

インテリアはかつてのBMWミニを彷彿とさせるものとなっており、イグニッションキー(EVにも搭載される)をはじめとして物理的なコントロールに重点を置いている。また、センターマウントのスピードメーターに代わって、OLEDディスプレイを備えた円形スクリーンが採用されている。ステアリングホイールの後ろにメーターディスプレイはない。

その他、ダッシュボードには時間や速度など、乗員向けの情報が表示される。

パーソナライゼーション・オプションを充実させ、ユニオンジャック柄のルーフのほか、中国市場向けのデカールなど「ローカル」なカスタマイズも提供される予定だ。

新市場の開拓と電動化を目指しているが、ヴルスト氏は大量生産にこだわるのではなく、例えばポルシェランドローバーを少し上回る程度の生産台数を目標にしていると述べた。

ステータスではなく「心の在り方」

以下、ミニのブランド責任者であるシュテファニー・ヴルスト(Stephanie Wurst)氏とのインタビュー内容。

――ミニにとって「レボリューション(革命)」は何を意味するのでしょうか?

「これは100%電動化への入り口であり、現在の15%から、来年はもう少し上、そして2020年代半ばには50%以上、その後ほぼ100%を目指します」

――この新しいラインナップで、ミニのポジションはどのように変化しているのでしょうか?

ミニブランドを率いるシュテファニー・ヴルスト氏
ミニブランドを率いるシュテファニー・ヴルスト氏

「ミニは非常に民主的なブランドですが、非常に優れた製品を提供しているのでプレミアムブランドでもあります。しかし、ステータスを表現するブランドではありません。ミニは、クルマでステータスを表現する必要はないけれど、ある種の心の在り方を表現する人のためのものだと思います」

「ある意味、ミニはとてもモダンでコンテンポラリーな製品だと思います。ビッグであるとかプレミアムであるとかではなく、ある種のライフスタイルです。物事をよりシンプルに捉え、自分の収入状況や社会におけるヒエラルキーについて神経質にならない。どちらかというと、心の在り方に近いものです」

――EV時代のミニをどのように見てもらいたいですか?

「ミニは楽しい。今でもゴーカート・フィーリングです。昔からとてもフレンドリーなクルマです。簡単で、シンプルで、気楽でなければならず、あまりに複雑なものはミニではありません。ですから、例えばセンターディスプレイなど、今あるものを大切にしながら、ゲーミフィケーションや鮮やかなディスプレイで新しく、かつブランドから離れすぎないようにすることが大切だと思います」

――エースマンがベストセラーになると予想されるのはなぜですか?

「すべてを兼ね備えているからです。まず、5ドアなので、家族や同乗者がいたり、運ぶものがあったりする場合はこのクルマが適していると思います」

「そして、個性的で頼れるクロスオーバーであることも、多くの人に愛されるでしょう。『オフロードを走ろうと思えば走れるけど、その必要はない』という感じです」

――なぜ5ドアのクーパーではなく、エースマンを発売するのでしょうか?

「エースマンの方がポテンシャルが高いと思うんです。このクルマはアジアや中国に似合うでしょう。彼らは伝統にとらわれないからです。また、わたし達と同年代、あるいはもっと年上、もっと年下かもしれませんが、親がクルマを運転したことがないという人たちも多い。そのため、彼らは伝統に縛られることがないのです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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