コクピット対決! ジャガーF-タイプ vs ユーロファイター・タイフーン
公開 : 2014.09.19 23:50 更新 : 2017.05.29 19:33
各メーカーが、好んで使いたがる ”戦闘機のコクピットからインパイアされたインテリア” と言うキマリ文句。これまでに、いったいどれほど聞いたことか。少なくともスポーツカー・メーカーならば、1度は口にしたに違いない。
その ’標語’ を聞けば、どことなく男心を擽るのは確か。だけれども、よくよく考えてみれば、”戦闘機みたいなインテリア” と言われても具体的にどうなっているのかがイマイチよく分からない。手だけで操れるってことか? そんなわけない。重要なコントローラーが全て視界の中に収まっているってこと? そんなクルマ見たことないな。考えれば考えるほど、よく分からなくなってくるのは筆者だけではないはずだ。
ならば実際の戦闘機に乗ってみよう。ということでユーロファイター・タイフーンという戦闘機を制作しているBAEシステムズの電話を鳴らすことにした。”あのー、コクピットの設計担当者にお話を伺いたいのですが” 簡単なことだ。話を聞くだけじゃあ勿体ないので、ジャガーF-タイプを持って行って、設計担当者に本当に ’戦闘機的’ なのかもジャッジして頂くことにした。戦闘機設計者をして、頷かせるものがあるならば、メーカーの決まり文句はホンモノだと言うことになるだろうから。
タイフーンのコクピット・グループを統括するのは49歳のマイルズ・ターナー氏。大学卒業後からBAEシステムズ一筋のベテラン・エンジニアだ。コクピット部門のリーダーとなったのは3年前のことだそうだ。彼とともに同行したのは40歳のポール・チェシャム氏。チェシャム氏はラフボロー大学で航空工学を勉強した後に、修士課程で人間工学を修めたという秀才だ。
まず筆者を驚かせたのはだだっ広いコクピット部門専用のオフィス。28人の科学者で構成されるチームは、継続的にアップデートされるコクピット作りに大忙しのようだった。