「ZF」のアフターマーケット事業、5つのブランドなの知ってる? メガサプライヤーが進む新時代
公開 : 2023.03.10 13:12 更新 : 2023.03.10 13:26
100年に一度の変革期を迎えた自動車業界。サプライヤーやアフターマーケットの世界で、何が起きているのでしょう。ZF日本法人が筋道を示しました。
総売上5兆円級 巨大サプライヤー
今週、東京ビッグサイトで開催された「国際オートアフターマーケットEXPO 2023」。
ここに出展していたZFジャパン(ゼット・エフ・ジャパン)では、アフターマーケット事業部の柴田英紀 事業部長が、今後の事業方針などについて発表を行った。
「ゼットエフ(ZF)」という社名は、クルマに少し詳しい読者諸氏なら、その名を知っていることだろう。そしておそらくは「ああ、トランスミッションの会社だよね」と答えるかもしれない。
たしかに、モータースポーツをはじめとしてZFのトランスミッションは有名だ。だが、いまやZFはトランスミッションだけのメーカーではなく、自動車パーツの世界市場で5本の指に入るメガサプライヤーになっているのだ。
1915年に、ドイツで飛行船の歯車を作る会社として創業されたZF。
「ZF」とはドイツ語の「歯車工場(Zahnrad Fabrik)」の略字から名づけられた。
1984年にレムフォルダー(サスペンション)、2001年にザックス(ダンパー)、2015年にTRW(ブレーキ)、そして2020年にワブコ(大型商用車のブレーキ/制御)といった会社を買収して、現在にいたっている。
つまり、現在のZFは上記の5ブランドで、世界中の自動車および機械メーカーにパーツをOE供給したり、またアフターマーケットで展開している。
2021年には、その総売上げは383億ユーロ(約5兆円)に達しているほどなのだ。
「CASE」+「サステナビリティ」
ZFが携わっている主なテクノロジー領域は、大きく分けて4つある。
まず、トランスミッションやダンパーといった「車両制御」。
次にエアバッグなどの「統合安全」。また、ADASなどの「自動運転」。
そして、トランスミッションに代わるEVドライブユニットのような「Eモビリティ」。
これらの分野で、ZFは“先頭”に立って、この業界を牽引していきたいという。
さて、世界的に変化しているモビリティにおいて、「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の4領域が注目されているが、ZFではこれに「S:サステナビリティ」をプラスして、アフターマーケットの変革をリードしていく。
それが、ZFが「CASE」+「S」と呼ぶ取り組みだ。
今回の発表でアナウンスされたのは、このうちコネクテッド/電動化/サステナビリティについてだった。