スバル・レガシィ・アウトバックX-BREAK EX試乗 最新スバルが誇る「総合雪国性能」

公開 : 2023.03.13 05:45

スバル・レガシィ・アウトバックX-BREAK EXに試乗。行く先も路面も選ばない、スバルが誇る「総合雪国性能」を解説します。

雪を求めスバルを味わい尽くす旅

スバル車で1泊2日の旅をする。目的地はどこでもいいけれど、雪を絡めて撮影するという条件が付いている。

今の季節、スバル車の性能をチェックするのであれば「雪道」は必ず含めたい要素といえるだろう。

スバル・レガシィ・アウトバックX-BREAK EXは、リミテッドEXに対し、よりアウトドアやオフロードテイストが強調された仕様。
スバル・レガシィ・アウトバックX-BREAK EXは、リミテッドEXに対し、よりアウトドアやオフロードテイストが強調された仕様。    村田研太郎

われわれはレガシィ・アウトバックをチョイスして、東北を目指すことにした。会津若松や喜多方といった街を訪ね、甲子温泉に泊まるプランだ。

アウトバックはレガシィ・ステーションワゴンのリフトアップ版的な成り立ちを持つ、おなじみのクロスオーバーSUVである。

都合6代目となる現行型は2021年に登場しているのだが、筆者はまだ試乗できていなかった。

プラットフォームは昨今のスバルの定石どおりSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を採用。パワートレインは1.8Lの水平対向4気筒ターボ+リニアトロニック(CVT)の組み合わせで四輪を駆動する。

アウトバックはリミテッドEXとX-BREAK EXという2つのグレードで構成されており、われわれの旅のアシはX-BREAK EXの方。

リミテッドに比べオフロードを走るX-MODEの選択肢が多かったり、シートが撥水性の合皮だったりという、よりアウトドアでの使用に適したグレードといえる。

まじまじと見るアウトバックは思ったよりもボディが大きく、室内も広め。また普通のクルマの倍以上ある地上最低高のおかげで乗り降りも楽ちん、かつ視界も良好だ。

朝の都心の喧騒を抜け出し、東北道を北上した。

レーンキープの滑らかさは最高レベル

少し交通量が多めの東北道で最初に感動したのは最新のアイサイトだった。

筆者は輸入車に乗ることが多いのでACC(アダプティブクルーズコントロール)+レーンキープの当代最強はメルセデスかBMWだと思っている。

スバル・レガシィ・アウトバックX-BREAK EXに搭載されるスバル最新のアイサイトは、メルセデスやBMWを凌駕するほどの性能を有していると筆者。
スバル・レガシィ・アウトバックX-BREAK EXに搭載されるスバル最新のアイサイトは、メルセデスやBMWを凌駕するほどの性能を有していると筆者。    村田研太郎

ところが、ことステアリングの緻密な修正具合に関してはアウトバックの方が上だ。しかも前走車がいなくなったような場合の再加速も実に滑らかに完遂する。

1.8Lターボというと、一瞬の遅れのあとでギューンと急加速するモデルもめずらしくないが、そのあたりの躾け方もさすが。信用できるADASはロングドライブのストレスを一気に取り去ってくれる。

ここ数日暖かい日が多かったせいか、肝心かなめの雪道にはなかなか出会えなかった。

そうなるととにかく標高を上げていくしかない。われわれが真っ白な路面にようやく出会えたのは那須岳ロープウェイの近辺だった。

日陰になる路面には固まった雪が残っているが、時おりアスファルトが露出している部分もあるワインディング。真冬の圧雪よりもよほど質の悪い春先の路面といえる。

そんな状況でもスタッドレスを履いたアウトバックの走りは安定していた。

前輪と後輪が交互に滑り、軌跡がズレたりするのだが、トラクションの戻りをしっかりと予測できるので舵角は一定のまま安心してドライブしていられる。

以前、雪国でスバルのセールスをしていた方が「皆さん指名買いしてくれるので特に説明の必要がないんです」と言っていたが、なるほど! と納得してしまった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    村田研太郎

    Kentaro Murata

    1997年生まれ。シンガポール出身、神奈川県川崎市在住。17歳の時に報道写真に影響を受け写真家を志し、日本大学芸術学部写真学科を卒業。2018年に渡英し、ロンドンにてTakahito Sasakiに師事しながら、ファッション写真のジャンルを中心に写真家としてキャリアをスタート。以後、広告からドキュメンタリーまで、ジャンルを問わずに活動中。駅をアートで埋める企画YAMANOTE LINE MUSEUMに参加している。

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