■どんな感じ?

われわれがテストしたのは中間グレードに位置するラグジュアリー。オプションのパドルシフト付き8速ATと可変ダンパー・コントロールが組み合わされ、最終的な価格は£35,735(641万円)となっていた。

筆者もこの組み合わせがベストだと考える。その理由として、やはりZF製の8速ATの能力が非常に高いことが挙げられる。変速のマナーは言うまでもなく優れているし、ディーゼルとの相性もとても良いとくれば、選ばないほかない。

また18インチのアロイ・ホイールとタイヤのことを考えれば、可変ダンパーとの組わ合わせのほうが、より高級サルーンらしい味わいが出てくる。新たに追加されたコンフォート・プラス・モードのマナーもキラリと光る点のひとつ。加えてスポーツ・モードの驚くほどのレスポンスや安定感を体感したければ、可変ダンパーを選ぶことを推す。

中でも最も気になるのは、新エンジンがラグジュアリー・サルーンとしての十分なポテンシャルを持つと同時に、きちんと洗練した仕上がりになっているのか、ということだろう。

0-100km/h加速は9.4秒まで短縮されているし、キレのある身のこなしも見せてくれる。1500rpmから3500rpmまでは十分なトルクを発揮してくれる所をみれば、上記の懸念事項はクリアしているといっていい。

ギア・レシオの設定も見事で、ディーゼルの最も美味しい回転域を常に維持してくれる。3000rpmを超えた辺りからは、ディーゼルらしい音が耳に届いてきそうなところを、見事なタイミングで変速し、回転数を下げてくれるためドライバーにとってもアドバンテージになる。