V10協奏曲 ランボルギーニ・ガヤルド ポルシェ・カレラGT ダッジ・バイパー それぞれの魅力 前編
公開 : 2023.04.01 07:05
エンツォに並ぶハイエンド・スーパーカー
カレラGTの最高出力は620psと、今回の3台では最強。最大トルクは5750rpmで60.0kg-mを発揮するだけでなく、アイドリング状態でも41.6kg-mという大トルクを生み出す。
シートは軽いカーボン・ケブラー製で、1脚10.3kgしかない。隅々まで練られた軽量化対策によって、車重は1472kgに抑えられている。
生産数は1270台の限定で、英国に上陸したのは49台のみ。新車当時、英国での販売価格は33万ポンドと桁違いで、パガーニ・ゾンダやフェラーリ・エンツォフェラーリに並ぶ、ハイエンド・スーパーカーの仲間入りを果たすポルシェだった。
そして、驚愕の速さも披露した。AUTOCARで実施したテストでは、48km/hから112km/hの中間加速を2.7秒でこなし、過去最速のタイムを残している。
今回ご登場いただいたシルバーのカレラGTは、マーク・サンプター氏がオーナー。新車で購入し、現在まで大切に維持されている。他の2台には申し訳ないが、最も大切に扱わなくては、という気にさせる。
自然吸気のV10エンジンを覆うエンジンカバーには、メッシュパネルの大きな山脈が2本伸びる。壮観な後ろ姿だ。
フロントヒンジのカバーを持ち上げると、シュツットガルトの精巧な結晶が顕になる。2列のシリンダーヘッドが、狭角で並ぶ。カーボンの織り目が美しい構造部材には、プッシュロッドで動くザックス社製のコイルオーバー・ユニットが組まれている。
この続きは後編にて。