V10協奏曲 ランボルギーニ・ガヤルド ポルシェ・カレラGT ダッジ・バイパー それぞれの魅力 前編

公開 : 2023.04.01 07:05

エンツォに並ぶハイエンド・スーパーカー

カレラGTの最高出力は620psと、今回の3台では最強。最大トルクは5750rpmで60.0kg-mを発揮するだけでなく、アイドリング状態でも41.6kg-mという大トルクを生み出す。

シートは軽いカーボン・ケブラー製で、1脚10.3kgしかない。隅々まで練られた軽量化対策によって、車重は1472kgに抑えられている。

ポルシェ・カレラGT(2004〜2006年/英国仕様)
ポルシェ・カレラGT(2004〜2006年/英国仕様)

生産数は1270台の限定で、英国に上陸したのは49台のみ。新車当時、英国での販売価格は33万ポンドと桁違いで、パガーニ・ゾンダやフェラーリ・エンツォフェラーリに並ぶ、ハイエンド・スーパーカーの仲間入りを果たすポルシェだった。

そして、驚愕の速さも披露した。AUTOCARで実施したテストでは、48km/hから112km/hの中間加速を2.7秒でこなし、過去最速のタイムを残している。

今回ご登場いただいたシルバーのカレラGTは、マーク・サンプター氏がオーナー。新車で購入し、現在まで大切に維持されている。他の2台には申し訳ないが、最も大切に扱わなくては、という気にさせる。

自然吸気のV10エンジンを覆うエンジンカバーには、メッシュパネルの大きな山脈が2本伸びる。壮観な後ろ姿だ。

フロントヒンジのカバーを持ち上げると、シュツットガルトの精巧な結晶が顕になる。2列のシリンダーヘッドが、狭角で並ぶ。カーボンの織り目が美しい構造部材には、プッシュロッドで動くザックス社製のコイルオーバー・ユニットが組まれている。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    トニー・ベイカー

    Tony Baker

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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