最新技術を先んじて投入 メルセデス・ベンツSクラス(W221) 英国版中古車ガイド V12のLもお手頃に

公開 : 2023.03.24 08:25

新車時代のAUTOCARの評価は

驚くほどではないものの、S 320 CDIは、依然として仕上がりが素晴らしい。速く燃費に優れ、豪華でありながら運転する喜びも得られる。

伝統的な高級サルーンでありながら、頭が追いつけなくなるような最新技術も詰め込まれている。このクラスの新たなベンチマークといっていい。(2006年2月14日)

メルセデス・ベンツ S 600 L(W221/2006年/英国仕様)
メルセデス・ベンツ S 600 L(W221/2006年/英国仕様)

専門家の意見を聞いてみる

ニック・ヤング氏:サウサンプトン・ショーファー・ハイヤー社

「メルセデス・ベンツSクラスは、常に頂点へ位置するショーファードリブン・モデルだと思います。わたしは当時のEクラスから、第5世代のSクラス、そして第6世代へ担当車両をステップアップしてきました」

メルセデス・ベンツ S 600 L(W221/2006年/英国仕様)
メルセデス・ベンツ S 600 L(W221/2006年/英国仕様)

「W221型ではS 350 Lを運転していましたが、3.0L V6ディーゼルターボはパワフルで燃費がいい。ロングホイールベースのボディなら、ゆとりのある空間も得られます。求められるすべての装備や機能が搭載されていましたね」

「ショーファードリブンのサルーンとして、お客様へ最高の体験を提供できていたと思います。プレミアムな価格に見合うだけの。特に動力性能に長けていたわけではありませんが、信頼性は高く、運転も楽しめました。不満は思い浮かびません」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

ディーゼルターボの場合は、アイドリング時にカラカラと不自然なノイズが大きくないか、聞き耳を立てる。金属的な音は、タイミングチェーンが伸びている可能性を示している。放置するとエンジンを完全に駄目にしかねない。

トランスミッション

定期的なメンテナンスが不可欠。オートマティック・フルードは、6万4000km毎の交換が推奨されている。滑らかに変速できるか、試乗で確認する。

サスペンション

メルセデス・ベンツ S 600 L(W221/2006年/英国仕様)
メルセデス・ベンツ S 600 L(W221/2006年/英国仕様)

エアサスペンションは、コーナリング時にボディを水平に保とうとする。正常に機能するか確かめたい。不調な場合は、エアポンプの交換が必要かもしれない。

インテリア

英国仕様の場合、カーナビを新しいバージョンへアップデート可能。もし古いままなら、購入前に作業を依頼しても良いかもしれない。

電気系統

ハイテクなW221型では、電気系統の不具合が珍しくない。オーディオアンプやシートのボルスター、キーレスエントリーの不調などは、比較的よく発生するようだ。

Sクラスを長期間停めたままにする場合は、トリクル充電器をつないで、バッテリーが上がらないようにしたい。電気系統へ重大な不具合を与えることにつながる。

ボディ

Sクラスといえども、W221型のボディは錆びることがある。塗装が水ぶくれのように膨らんだ場所がないか、注意深く観察したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    オリバー・ヤング

    Oliver Young 

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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