フォルクスワーゲン・マルチバン 詳細データテスト サイズのわりにいい走り 広いが反響音が気になる

公開 : 2023.03.18 20:25  更新 : 2023.04.04 01:05

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

ID.Buzzは高価だが、T7マルチバンも4万3720ポンド(約700万円)からと安くはない。プラットフォームは、アウディA3からスコダ・シュパーブまで、フォルクスワーゲングループで広く使われるMQBだが、これまでのMQB採用モデルにないほど広い空間を備えている。

全長は2種類用意される。テスト車はショート版で、全長は4973mm、ホイールベースは3124mm。全幅は1941mm、全高は1907mmだ。1500ポンド(約24万円)高いロングモデルは、リアのオーバーハングが200mm伸び、5173mmとなる。載せられた大型犬は喜びそうだが、駐車スペースはどこでも歓迎とはいかなくなりそうだ。

エンジンは全4機種。ガソリン2機種のほか、ディーゼルとプラグインハイブリッドが1機種ずつだ。
エンジンは全4機種。ガソリン2機種のほか、ディーゼルとプラグインハイブリッドが1機種ずつだ。    LUC LACEY

サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビーム。前後とも、コイルスプリングにパッシブダンパーの組み合わせで、ローダウンスプリングとアダプティブシャシーのオプションはテスト車には装着されていない。

フロントドアは前ヒンジで、リアドアはスライド式。上位グレードには電動スライド機構が備わる。テールゲートは1ピースの上開きで、こちらも電動機構が用意されている。

グレードは、エントリーレベルのライフと上位のスタイルの2種類。エンジンはすべて横置きで、DCTを介して前輪を駆動する。

ガソリンエンジンはグレードにより設定が変わる。ライフは136psの1.5L、スタイルは204psの2.0Lで、どちらもターボだ。ディーゼルは150psの2.0Lで、この3つのエンジンには7速ギアボックスが組み合わされる。

このほか、eハイブリッドと呼ばれるPHEVも設定。150psの1.4Lガソリンと116psの電気モーターを組み合わせ、システム出力は218ps。6速ギアボックスを介して前輪を駆動するのに加え、床下の13kWhバッテリーにより、公称47kmのEV走行も可能だ。

フォルクスワーゲンのラインナップにおける区分は商用車だが、乗用モデルも用意されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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