フォルクスワーゲン・マルチバン 詳細データテスト サイズのわりにいい走り 広いが反響音が気になる

公開 : 2023.03.18 20:25  更新 : 2023.04.04 01:05

使い勝手 ★★★★★★☆☆☆☆

インフォテインメント

インフォテインメントシステム、そしてエアコンのコントロールで、どのメーカーよりもストレスを感じるのがフォルクスワーゲンだ。それは、この最新世代のシステムにも言えることで、画面をタッチ操作する際に手のひらを置こうとすると、そこには音量と温度の調整部が陣取っている。

結局、指先を安定させるには、ほかの指をダッシュボードか画面上部のフレームにどうにか置いて支えるしかない。まるで、ビリヤードでトリッキーなショットを打つときのブリッジみたいで、指をつりそうになる。しかも、その邪魔なボタンはバックライトがないので、暗くなったら手探りで操作するしかないのだ。

インフォテインメントディスプレイと温度/音量調整デバイスの配置に問題あり。画面にタッチする際に、手のひらをつく場所がないのだ。
インフォテインメントディスプレイと温度/音量調整デバイスの配置に問題あり。画面にタッチする際に、手のひらをつく場所がないのだ。    LUC LACEY

シートヒーターの温度調節をしたいときは、シートヒーターかエアコンのボタンを押す。すると、もうひとつメニュー画面が開く。アイコンは大きいし、ADASのグラフィックもよくできている。室内の色調も悪くない選択肢が用意されている。とはいえ、使い勝手は悪い。これでは、スマートフォンのミラーリングに頼るユーザーが多くなるのではないだろうか。

それでも、悪くない点もある。1080ポンド(約17万円)のハーマンカードン製サウンドシステムは、かなりいい音だ。

燈火類

自動ヘッドライトの作動ぶりは非常によく、防眩のための照射範囲の調節は絶妙。もちろん、ライトそのものも、ハイ/ローともにみごとだ。

ステアリングとペダル

分厚いブレーキペダルは、ほぼドライバーの真正面で、スロットルペダルとの感覚はまずまず空いている。ステアリングホイールにオフセットはなく、調整範囲は広い。足元には、左足を休めておけるフラットなフロアスペースが広々している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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