フォルクスワーゲン・マルチバン 詳細データテスト サイズのわりにいい走り 広いが反響音が気になる

公開 : 2023.03.18 20:25  更新 : 2023.04.04 01:05

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

タイヤの扁平率が高く、サスペンションはゆったり走らせるセッティングなので、マルチバンはのんびり走るのに向いたクルマだ。乗り心地は柔らかく、シートは大きく、室内騒音は低めだ。

しかし、ボリュームが大きく、シートは脱着式で、数m単位のスライドが可能な構造だからだろう、反響音が出るのは避けられない。とくにエンジンがかかって、会話を中断し、適度にエキサイティングな走りをするとそうだ。

室内は比較的静かだが、時折聞こえる反響音が、実質的にこのクルマがバンであることを思い出させる。
室内は比較的静かだが、時折聞こえる反響音が、実質的にこのクルマがバンであることを思い出させる。    LUC LACEY

言っておきたいのは、全般的にこれが洗練されたクルマだということだ。騒音計の数値も、そのことを示している。しかし、ときどきだが、セダンやワゴンでは起きないような音鳴りがして、バンであることを思い起こさせる。

プラス要素としては、オーディオの音環境としてはいいほうのクルマだということ。ロールス・ロイスファントムに近いハイファイサウンドだ、というテスターもいたほどだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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