85年前の「夜空」を車内で再現 ロールス・ロイス レイス最終モデル公開 12台限定

公開 : 2023.03.22 06:45

ロールス・ロイスは、2ドア・クーペのレイスの最終モデル「レイス・ブラックアロー」を公開しました。1930年代の速度記録車サンダーボルトへのオマージュとして、内外装ともに特別な仕上がりとなっています。

1930年代の速度記録車にオマージュ

ロールス・ロイスは、2ドア・クーペのレイスの最終モデル「ブラックバッジ・レイス・ブラックアロー」を公開した。電動車への移行に先立ち、V12エンジンを搭載した最後のクーペとなる。

ブラックアローは12台の限定生産で、すでに完売しており、レイスの10年間の生産に幕を下ろした。ロールス・ロイスはレイスの「フィナーレにふさわしい」と表現している。

ロールス・ロイス・レイス・ブラックアロー
ロールス・ロイス・レイス・ブラックアロー    ロールス・ロイス

2016年に発売されたレイス・ブラックバッジに続くシリーズで、パワートレイン、ブレーキ、サスペンションをアップグレードし、インテリアも独自の仕上げとなっている。

1938年9月に2基のV12エンジンを搭載し、8輪、車重7トンで最高速度575km/h(357.497mph)を記録した速度記録挑戦車「サンダーボルト」からインスピレーションを得ており、全体的にブラックとシルバーで仕上げられた。

また、ガラスを使用した特別な塗装仕上げを採用している。バンパーインサート、ホイールピンストライプ、Vストラット、スピリット・オブ・エクスタシー、エングレービングはすべてイエローで仕上げられ、サンダーバードへのオマージュを表している。

インテリアでは、オープンポアのウッドドアライニングが装備され、かつてサンダーボルトが速度記録を打ち立てたボンネビル・ソルトフラッツを表現しているという。

一方、シート、アームレスト、トランスミッショントンネル、ダッシュボード下部はすべてブラックのクラブレザーで仕上げられ、ステアリングホイール、シートトップ、ヘッドレストはイエローにカラーリングされる。

ルーフライニングには、ロールス・ロイス史上最も多くのLEDライトが使用されている。手作業で配置された2117個の光ファイバーの「星」が、ちょうど1938年9月16日の夜空を正確に再現し、天の川を描いている。

パワートレインや価格については明らかにされていない。2016年のレイス・ブラックバッジは、V12ツインターボから最高出力632psと最大トルク88.7kg-mを発揮しており、ブラックアローも同レベルのパフォーマンスを発揮すると期待される。

ロールス・ロイスのトルステン・ミュラー・エトヴェシュCEOは次のように述べている。

「レイスは、グッドウッド(本社)で作られたクルマの中で、最も重要で影響力のある1台です。その並外れたパワー、パフォーマンス、そして存在感は、ロールス・ロイスブランドをまったく新しい顧客グループに開放したのです」

「このランドマーク的なクルマの最後の1台がグッドウッドから旅立つにあたり、わたし達はレイスが当社最後のV12クーペであることを記念します。ブラックバッジのレイス・ブラックアローと、そのインスピレーションの源である1930年代のV12エンジン搭載の速度記録保持車サンダーボルトは、長年の功績の集大成であり、それぞれの時代の終わりを意味しています」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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