このまま発売してほしかった… コンセプトと全然違う市販車 14選 薄味になったデザイン

公開 : 2023.03.25 18:05  更新 : 2023.03.25 18:18

美しく魅力的なコンセプトカーが、そのまま量産化されるとは限りません。奇抜なデザインや先進的な機能を持つコンセプトカーとは大きく異なってしまった市販車を14台取り上げます。

もくじ

なぜ実現しなかった… コンセプトと違う市販車
コンセプト:フォード・マスタング・マッハIII(1992年)
市販車:フォード・マスタング(4代目、1993年発売)
コンセプト:ポンティアック・サンファイア(1994年)
市販車:ポンティアック・サンファイア(1995年)
コンセプト:マイクロコンパクト(1996年)
市販車:スマート・シティクーペ(1998年)
コンセプト:プリムス・プロント・コンセプト(1997年)
市販車:クライスラーPTクルーザー(2000年)
コンセプト:シトロエンC-3(1998年)
市販車:シトロエンC3(初代、2002年)
コンセプト:ダッジ・チャージャーR/T(1999年)
市販車:ダッジ・チャージャー(6代目、2005年)
コンセプト:トヨタFTX(2004年)
市販車:トヨタ・タンドラ(2代目、2006年)
コンセプト:シボレー・ビート(2007年)
市販車:シボレー・スパーク(2009年)
コンセプト:ルノー・ウインド(2004年)
市販車:ルノー・ウインド(2010年)
コンセプト:BMWビジョン・エフィシエント・ダイナミクス(2009年)
市販車:BMW i8(2013年)
コンセプト:トヨタ・プリウスc(2011年)
市販車:トヨタ・プリウスc(2012年)
コンセプト:トヨタFT-1(2014年)
市販車:トヨタGRスープラ(2019年)
コンセプト:キアGT4スティンガー(2014年)
市販車:キア・スティンガー(2017年)
コンセプト:レクサスUX(2016年)
市販車:レクサスUX(2018年)

なぜ実現しなかった… コンセプトと違う市販車

「コンセプトカー」とは一般的に、自動車メーカーが次のデザイン・アイデンティティを確立するための道筋を探るものである。

自動車イベントで注目を集めるために作られるものもあれば、次の時代を予感させるものもある。しかし、重要なディテールやドラマチックなボディラインは、しばしば骨抜きにされたり、完全に失われたりしてしまう。

コンセプトからスケールダウンしたクルマを取り上げる。
コンセプトからスケールダウンしたクルマを取り上げる。

もちろん、生産効率の都合や安全性、実用性、コストなど、デザインが変わってしまうのにはさまざまな要因が絡むため、一概に揶揄することはできない。また、あまり認めたくない事実として、コンセプトのまま世間に出すよりも販売上はうまくいくというケースもある……。

いずれにせよ今回は、印象的なデザインを持ったコンセプトカーが量産化に向けてどのように変化したかを見ていきたい。コンセプトから市販車の順に、14台を紹介する。

コンセプト:フォードマスタング・マッハIII(1992年)

マツダから借りた前輪駆動のプラットフォームで、マスタングを作り直そうとしたフォード。しかし、ファンからの反発を受け、3代目マスタングの後継となる後輪駆動車の開発を開始する。1993年1月、デトロイトとロサンゼルスのモーターショーで、1978年以来の新型マスタングをコンセプトカー「マッハ3」として披露した。

フォードがこの2会場を選んだのは、ライバルのGMから注目を奪うためだったと言われており、当時新型だったポンティアック・ファイアーバードやシボレーカマロもモーターショーの主役だった。

コンセプト:フォード・マスタング・マッハIII(1992年)
コンセプト:フォード・マスタング・マッハIII(1992年)

市販車:フォード・マスタング(4代目、1993年発売)

1993年末、4代目フォード・マスタングはついにデビューを果たした。ソフトで丸みを帯びたデザインで、ドア後部のスクープやリアライトの特徴的な形状など、マッハIIIコンセプトのディテールを微妙に受け継いでいるが、未来的な印象はかなり薄れた。

しかし、ありがたいことに、地上高もかなり低くなったように見える。4代目はスタイル、中身、パワーの面で、3代目から大きく前進した。

市販車:フォード・マスタング(4代目、1993年発売)
市販車:フォード・マスタング(4代目、1993年発売)

コンセプト:ポンティアック・サンファイア(1994年)

サンファイアのコンセプトは、ファイヤーバードのようなスポーツカーの要素を低価格のエントリーモデルに採り入れるとどうなるかを探るものだった。エアスクープ付きのボンネットの下にはスーパーチャージャー付きの4気筒エンジンが隠されており、最高出力241psという、1990年代中頃にしては非常に頼もしい性能が示されていた。

ホットウィール(ミニカー)のような外観で、流石にこのまま市販されるとは考えにくかったが、ポンティアックの次世代エントリーモデルとして期待できるものだった。

コンセプト:ポンティアック・サンファイア(1994年)
コンセプト:ポンティアック・サンファイア(1994年)

それにしても、ポンテアックというブランドは、もう過去のものなのだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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