このまま発売してほしかった… コンセプトと全然違う市販車 14選 薄味になったデザイン

公開 : 2023.03.25 18:05  更新 : 2023.03.25 18:18

コンセプト:シトロエンC-3(1998年)

シトロエンは、21世紀のシティカー(都市部向けの小型車)のあり方を示したのがC-3コンセプトだと説明した。1998年のパリ・モーターショーで発表されたC-3は、丸みを帯びたフロントエンドと2CVのようなアーチ型のルーフラインを特徴とするデザインで際立っていた。

逆向きに開くドアは、さまざまなレイアウトが可能な車内への乗降を楽にしてくれる。C-3はおとなしいサクソの隣に置かれ、未来をとても魅力的に見せていた。

コンセプト:シトロエンC-3(1998年)
コンセプト:シトロエンC-3(1998年)

市販車:シトロエンC3(初代、2002年)

シトロエンはC-3コンセプトの基本的なシルエットを踏襲しながらも、細部のディテールを消し去り、別の形状で埋め尽くした。2002年に発表された初代C3は、逆開きドアや2分割のテールゲートこそなかったものの、デザイン重視の競合他社が少ないシティカー市場で異彩を放った。

アーチ型のルーフラインは、C-3コンセプトから10年以上を経て登場した2代目モデルにも採用されるほどのヒットとなった。

市販車:シトロエンC3(初代、2002年)
市販車:シトロエンC3(初代、2002年)

コンセプト:ダッジ・チャージャーR/T(1999年)

ダッジは1987年モデルを最後にチャージャーの名を廃したが、1999年にデトロイトで開幕の北米国際自動車ショーに出展された斬新なコンセプトで復活を遂げる。スーパーチャージャー付きの4.7L V8エンジン(珍しく圧縮天然ガスを燃料とする)を搭載したこのコンセプトカーは、それまでのチャージャーにはなかった4枚のドアを備えていた。

コンセプト:ダッジ・チャージャーR/T(1999年)
コンセプト:ダッジ・チャージャーR/T(1999年)

市販車:ダッジ・チャージャー(6代目、2005年)

R/Tコンセプトの量産化は行き詰まった。ダッジがようやく新型チャージャーの発売にこぎつけたとき、クライスラー300やダッジ・マグナムに使われたプラットフォームをベースにした、はるかにアップライトなマシンとなっていた。以前のコンセプトカーとの共通点は、4ドアであることくらいだった。

市販車:ダッジ・チャージャー(6代目、2005年)
市販車:ダッジ・チャージャー(6代目、2005年)

コンセプト:トヨタFTX(2004年)

トヨタは、初代タンドラを小さくしすぎたと、世間やマスコミから非難された。これに対してトヨタは、2004年のデトロイト・モーターショーで発表したFTXコンセプトで対抗する。FTXは「大胆なスタイリングと豊かなプロポーションに見合うだけの力強さを約束するもの」と説明され、サイズに関する指摘を明確に受け止めたことを体現するものであった。

象のようなディメンションとホイールアーチが、トンカ(ミニカーブランド)のトラックのようなデザインを際立たせている。ショールームでプリウスと並んでいるところは想像できない。しかも、V8ベースのハイブリッドシステムのおかげで、環境にも比較的やさしいとされる。

コンセプト:トヨタFTX(2004年)
コンセプト:トヨタFTX(2004年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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