「みんな古い車名が好き」 最新EVに昔懐かしい車名 フォード・カプリ復活か
公開 : 2023.03.24 06:05
フォードは来年発表予定の新型EVに「カプリ」の名称を与える可能性があります。かつて欧州で高い人気を誇ったカプリが、フォルクスワーゲン・グループのMEBプラットフォームで復活を果たすかもしれません。
次世代EVに歴史的な車名をつける理由
フォードは、フォルクスワーゲンのMEBプラットフォームを採用した次世代電動クロスオーバーに、「カプリ」の名を使用する構えだという。英国のタブロイド紙、ザ・サンが報じている。
カプリという名称は、欧州フォードが1968年から1986年まで販売していた2ドアのスポーツモデルに由来する。マスタングの欧州版とも呼ばれ、長年親しまれてきた人気車種である。フォードはこの名称を約40年ぶりに復活させる可能性がある。
昨日、新型電動SUVとしてエクスプローラーが発表されたが、こちらも北米を中心に人気の高い車種の名称を使っている。新型エクスプローラーは、フォルクスワーゲンのMEBプラットフォームをフォードとして初めて採用したEVだ。
新型「カプリ」は来年初めに公開される見込みで、エクスプローラーより小型のクロスオーバーとなると考えられる。
AUTOCARはエクスプローラーの発表に際し、欧州フォードのデザイン責任者であるアムコ・リーナーツ氏にインタビューを行ったが、その中で歴史的な名称の重要性についても聞いている。フォードは電動化を進める中で、人々に馴染み深いネーミングに重きを置いているのだ。
リーナーツ氏はフォードに入社して11年になる。現在はエクスプローラーを皮切りに、電動化においてブランドを導く役割を担っている。
重要なポイントは、歴史的な名称を再利用することと、ノスタルジックなデザインに必ずしも関連性はないということだ。「レトロなデザインは、わたし達を前進させるものではありません。常にまったく新しい解釈をすること、それが面白いのです」とリーナーツ氏は語る。
例えばエクスプローラーは、米国で販売されている従来車とは(パワートレインもサイズも)全く異なるモデルだが、リーナーツ氏は、アクティブな顧客と機能性に焦点を当てている点は両車とも同じだと言う。
今後、どの名称が復活するのか、どの新型車に与えられるのかは明らかではないが、リーナーツ氏は「古い名称が持つ公平性と新しい解釈の間の緊張感」を楽しんでいるとのことだ。
フォードはすでに「プーマ」をクロスオーバーに、「マスタング」を電動SUVに再利用しているため、ここ数年ファンの間で熱い議論が交わされてきたテーマである。
最終的には、「他社にはない独自の視点」を活用し、「新しい領域にネームプレートを持ち込むことは、世間に喜ばれる」とリーナーツ氏は考えている。