スバル・ソルテラ 詳細データテスト 走りは平凡で航続距離は不満 内装は質感不足 乗り心地には満足

公開 : 2023.03.25 20:25  更新 : 2023.04.04 01:27

内装 ★★★★★★☆☆☆☆

インテリアは彩りに欠ける。グレーのプラスティックが、ダッシュボード上部からドアパネル下部まで広範囲を覆っている。それより明るい色調で、ややリッチに見えるグレーのテキスタイルが、手触りのよさを加えており、シートには合成皮革を用いているが、そのマテリアルが目指した高級感を十分に実現できているとは言い難い。

このキャビンは、やや単調で、奇妙なほどシリアスな運転環境だと感じられる。センターコンソールのピアノブラックパネルや、数少ないクロームトリムは、ヴィジュアル的なアピールが乏しい。そのため、安っぽい見栄えの成型プラスティックが常に目に入る。高い位置のメーターパネルやドアオープナー周辺はとくにそうだ。これが5万ポンド(約805万円)級のクルマに相応しい内装なのかと首を傾げたくなる。

彩りの足りなさも気になるが、低く設置された小径ステアリングホイールにより、ドライビングポジションは慣れが必要なものになっている。
彩りの足りなさも気になるが、低く設置された小径ステアリングホイールにより、ドライビングポジションは慣れが必要なものになっている。    LUC LACEY

質感を高めるという点では、二次的操作系がいい働きをしている。太くずんぐりしたコラムレバーと、大きさのあるロータリー式ドライブセレクターには、安心感ある手触りが感じられる。

また、空調の温度調整をはじめ、走行モードセレクターやスタビリティコントロールの停止、ワンペダル運転の選択には実体ボタンが常設されているのも、評価したいポイントだ。たとえ、実体スイッチ多用主義が、ステアリングホイールをごちゃついたものにしているとしてもだ。

計器盤の表示はクリアで、キャビンの収納スペースは豊富で使いやすい。操作系は、十分すぎるほど直感的に扱える。それになじんだとしても、少なくとも最初は、ドライビングポジションに奇妙な感じを覚えるだろう。

最近のプジョーのように、運転席は高く、小径リムのステアリングホイールは低く設置されている。コラムの調整は効くが、それでも間違いなく低くして、リムの上からメーターをはっきり見えるようにしたい意図が明らかだ。

このサイズのクルマに、ここまで小さいステアリングホイールを組み合わせるというのは、おかしな感じがする。テスターの中には、好みのドライビングポジションが得られなかったという声もあった。たしかにデジタルメーターは見やすいが、それ以外の部分には慣れが必要だ。

後席は平均的な体格の大人が快適に過ごせる広さだが、スコダ・エンヤックiVやテスラモデルYのレベルには届かない。ニールームは広めだが、ヘッドルームは限られている。

荷室もまた、クラスベストにはわずかに及ばない。60:40分割可倒式のシートは、容易に積載容量を拡大してくれるが、スライド機構はない。荷室の開口部は広いが、床下の収納スペースは浅い。全体の容量は、きつめに傾斜したリアウインドウに侵食されている。

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