包みきれない2710kg BMW XM  総合653psのPHEV Mなら更に高みを目指せる 前編

公開 : 2023.04.01 08:25

知覚品質が非常に高いインテリア

インテリアにもボディと同じデザインテーマが反映されているが、印象はいくぶん穏やか。細かなプラスティック製部品はしっかり金属のように見え、ふんだんに用いられたレザーやアルカンターラと調和している。ステッチは、一糸乱れず並んでいる。

ダッシュボードの上には、大きく湾曲したメーターパネルが鎮座する。その躯体は、マット仕上げのカーボンファイバー製だ。インテリアの知覚品質は非常に高い。BMWは、インテリアデザインを理解している。

BMW XM(北米仕様)
BMW XM(北米仕様)

試乗車のダッシュボードには、コーヒーブラウン・ヴィンテージという独特の風合いのレザーが巻かれ、素敵に感じられた。M2のドライバーが望む雰囲気ではないとしても、新しいMのスタイルとして新規顧客の関心を得られるだろう。

充電ケーブルは、ブランド物の高級カバンのようなレザーケースに収まっている。試乗車を受け取ってそれを発見した時は、前に試乗したリッチなジャーナリストの忘れ物かと勘違いした。XMが仕立てられたベクトルを、指し示すアイテムだといえる。

ゆとりのあるリアシート側の空間を、BMW Mは「Mラウンジ」と呼んでいる。確かに贅沢な雰囲気が漂う。ボディのサイドラインが後端に向けて上昇し、サイドウインドウが小さく、隠れ家バー的かもしれない。

上質なシートの座り心地は快適。巨大なルーフパネルは、走行モードによって色が変化する。車内のあちこちに、Mのロゴが散りばめられている。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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